故郷へ帰る道は、いつだって
待ち遠しい。
はしゃぐ気持ちをおさえて、
ワクワクする。
でもね。今日は、なんだか心が晴れないよ。
朝から、しとしとと降り続ける雨のせい?
薄暗い空を厚く覆い尽くす雲のせい?
違うよ。
君がいなくなったから。
飛び立つ飛行機は、
いったいどこへ 向かうのだろうか。
行き先の分からない 私の心を乗せて。
今、
君に会いたいよ。
今すぐ、
君の声が聞きたいよ。
飛行機は、厚い雲を突き抜け 雲の上へ。
そこには、永遠に広がる青空と
波打つ雲が まるで海のように流れていた。
すーと、心が軽くなるのを感じた。
今
君も、この景色の中にいるんだね。
今
一緒に、このどこまでも澄み渡る景色を
見ているんだね。
だって、
ここはまるで故郷のようだから。
そう。
私は今、
大切な人のいる故郷へ向かっている。
そこは、いつだってあたたかい場所だから。
約束するよ。
今度は、私が笑顔で君を見送る番。
「ありがとう。」
「大好きだよ。」
「また会おう。」
贈りに、君に愛にいきます。
いつだって故郷は、私の道しるべだから。
「明日は、晴れるといいな。」
7月に帰るはずが、間に合いませんでした。
仕事中に、連絡が来た時は涙がこぼれました。
「また会おう」と約束したのに・・
そこから、次の日の飛行機に乗るまで気持ちが落ち過ぎて覚えていません。
飛行機に乗って飛び立つのを待っている時、
あまりにも、小窓から見える景色が暗く
嘘のような気がして。
自分が
あるようで、ないようなそんな気持ち。
でも、飛び立ち雲の上に出た時。
あんなにも薄暗く天気が悪かったのに。
そこは、別世界のように
澄み渡る晴天で。
心が一瞬で洗われたように軽く楽になりました。
唯一の救いは、
手紙で気持ちを伝えられた事。
伝えたい言葉は、いつかではなく
いつ伝えるかが大事。
恥じらいやプライドなんて、
なんの意味もないのだから。
少しでも後悔しないように。
それでも、
棺桶で眠っている姿を見るのが、
すっごく怖かった。
心のどこかでまだ、
この現実を認めたくなかったから。
でも、覗き込むと
まるで微笑んでいるように眠っていました。
いつもの笑顔で、優しく笑っていました。
「あーいつもの君だ。」
私もいつもの私の笑顔で、
「ただいま。」
「少し遅くなったけど、会いにきたよ。」
と伝えました。
涙は、頬をつたいましたが
でもこれは、笑顔の涙です。






