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ボーイズ・オン・ザ・ラン。女の私が読んでも胸がヒリヒリするような作品である。
主人公は20代のサラリーマン。こいつが不器用で、熱くて、イイ奴で。とても愛すべき男である。
そう、読者が男性なら、誰でも心のなかに奴がいるんじゃないだろうか。
「世の女はみんな俺のもの」と思っているようなキムタクのような男にはわからないだろうが、
女の私のなかにも、奴はひそかに居る。格好悪いけど、無様だけれど、惚れた女のためにやり抜く男。
だけど大抵の人はみな、ここまで潔く格好悪くはなれない。血だらけになり裸でクソにまみれてまで
女のために突っ走りはしない。そんなにおそろしいこと、出来ないはずだ。
心のなかにみんな奴がいても、奴のように生きられはしない。だから読者は彼にひそかに憧れ、
疾走する彼を応援してしまうはずだ。心のなかで、ハッピーエンドを信じながら。
だけどだけど、彼は決して読者が思うようには幸せにはなれない。ラストシーンの彼は幸せなのだろうか?
少なくとも、読者が望んでいた幸せではないはずだ。
作者なら、主人公の幸せを願うはずだ。たとえそれが「死にオチ」の物語だとしても、
愛する主人公のために美しい死を用意するはずだ。なぜ彼は最後の最後までここまで不幸なのか。
想像するに作者は主人公に似た男なのかも知れない。作者自身なのかも知れない。
こころの中に奴を住まわす読者は、少し距離を置いて無責任に彼を応援することができるけれど、
主人公が自分自身なら、彼が幸せになってしまうことに寂寥を感じる気持ちもわかる。
自分と主人公が乖離することがないように、物語を締めくくる必要があったのかも知れない。
だから物語は「これから幸せになるかもしれない」余韻を残したまま終わる。
ハッピーエンドはエンドだけれど、これからの物語はネバーエンディング。
作者にはいつかその後の話を書いて欲しい。読者の中にいる奴のためにも。
【送料無料】ボーイズ・オン・ザ・ラン(1)
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記事一覧
「のだめカンタービレ」を読んで、少女漫画のヒロイン像が変わったと実感した。
今まで少女漫画では、バレリーナやスポーツ選手、料理人など、
いろんなジャンルに精進するヒロインが描かれてきたが、それらはたいてい、
「普段は平凡な女の子だけど、ひとつの才能だけ突出している」というヒロイン像であった。
そして「同じ世界に生きる素敵な男性に恋をし、
その人と一緒にいたくて、その人に追いつきたくて頑張る」
というのがパターンだった。結末は言わずもがな…その道も恋もうまくいく。
だが、現実世界は決してそう甘いものでないはず。女の仕事がうまくいけばいくほど、
才能が伸びれば伸びるほど、恋愛は駄目になったいくものだ。
「のだめカンタービレ」のヒロイン・野田恵は、ピアノを弾かせたら破天荒・天才タイプの音大生。
はじめは少女漫画の王道パターン通りの平凡でドジな女の子に思えるが、
読みすすめるとかなり変わった少女であることがわかる。他者との距離感がうまく図れない。
友達とも恋人とも、普通のアプローチをとらない。
のだめに「親友」と呼べる人はいるのだろうか。
恋の悩みを相談したりガールズトークを楽しむ様子は見られない。
のだめは音楽を通じて様々な人に出会うが、音楽を抜きにしたらどの関係も続かないように思える。
部屋の片付けも料理も出来ない。生活感覚が人並みでない。
精神鑑定をしたら何らかの障害が指摘されそうな女の子だ。
もちろん漫画のなかでは明るく「変態」とギャグにされ、愛すべき人物として描かれている。
やはりのだめも音楽の世界で恋をする。オーケストラの指揮者を夢見る音大の優等生・千秋真一だ。
彼と一緒にいたくて彼の指揮でピアノが弾きたくて、夢は保育士からピアニストに変わる。
と、一風変わったヒロインだがやはり少女漫画の王道パターンを
歩むかに思える。だが、後半クライマックスからガラリと変わる。
のだめの才能が、今まで目標としてきた愛する千秋をいきなり追い越してしまうのだ。
彼と一緒にいることをバネにピアノを頑張ってきたのだめにとって「彼を追い越してしまった苦悩」は
「彼に追いつけない苦悩」より激しく辛いはず。
かつてこのような苦しみを味わったヒロインが少女漫画にいただろうか。
もうピアノは弾けない…千秋先輩とも会えない…苦しむのだめを救うのはやはり愛する千秋だった。
しかしこのふたりの恋が続いていく限り、同じ苦しみを何度も何度も味わうことになるだろう。
追い越すことの苦しみ、追い越されることの屈辱、のだめと千秋で交互にそれは味わいながら、
果たして恋は継続するのだろうか。作品のなかでは結婚も示唆されてはいるが、道は険しいと思う。
だが「のだめカンタービレ」は少女漫画。読者である少女たちに夢を抱かせたまま、
のだめと千秋の物語はフィナーレを迎える。本当の恋物語はこれから、ふたりの苦悩はこれからだけれど。
それでも、のだめはピアノを弾きつづけるだろう。
新しいタイプのヒロインとして、これから現実を生きる少女たちの心のなかに、
ピアノを弾き続けるのだめがいるはずだ。
のだめカンタービレ(1)
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私の大好きな絵本の一つです。
ぞうのぐるんぱは、行く先々で
とっても大きなものばかり作って失敗ばかりします。
ぐるんぱは自分は役にたっていないんじゃないかと
ちょっと寂しい思いをします。
でも、最後につくった幼稚園は大成功。
ぐるんぱと子供たちとの素敵なふれあいに
心があったかくなります。
幼稚園・保育園の入園前を楽しみにしている
お子さんにぜひお母さんが読んであげたら
お子さんは大喜びすることうけあいの
楽しい絵本です。
価格も安くお手ごろです。
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【送料無料】ぐるんぱのようちえん
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ピーターラビットの生みの親、
ビアトリクス・ポターの生涯を描いた映画、
「ミス・ポター」が話題になっていますね。
「ピーターラビット」シリーズは、
111カ国で出版され、
なんと1億部(!)のベストセラー絵本。
出版から100年を経てもなお愛され続ける理由は、
何といってもピーターのかわいらしさでしょう。
登場する動物たちはみんなリアルで、
今にも動き出しそう。
それなのに、とても人間っぽくて
愛さずにはいられないんです。
行ったことのないイギリスの
のどかな田園風景も目に浮かぶようで、
いつ見ても新鮮な感動を与えてくれます。
小さな絵本なので、
お子さんと一緒にお出かけする時、
バッグのポケットに入れて行くというお母さん、
多いんですよ。
いつも読み聞かせできるからいいですよね。
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ワンちゃんが主人公の絵本は
たくさんあるけど、
「どろんこハリー」ほど
長く愛されている
作品はなかなかありませんよね。
私のオススメ絵本の上位です。
人気の理由は、なんといっても
ハリーがとってもカワイイから。
キャラクターグッズもキュートです。
色彩を抑えたシンプルな絵柄も
一度見たら忘れられません。
ずっと読み継いでゆきたい
絵本のひとつです。
大人も楽しめる絵本ですよ。
☆どろんこハリーの詳細&ご購入は
画像をクリック。
名作「星の王子さま」が子供にも読める絵本になりました。
原作より文章をわかりやすく簡略してありますが、
あの美しい言葉、心にぐっとくるセリフの数々は、
きちんと残してあります。感動の一冊です。
絵本 星の王子さま (大型本)
アントワーヌ・ド サンテグジュペリ (著),
Antoine de Saint Exup´ery (原著),
池澤 夏樹 (翻訳)
世界一大きなキリンを作りました。
世界一きれいで大きいキリンのキリカは、
るるこを乗せてクレヨン山へと風のように走ります。
るることキリカのわくわくドキドキの冒険絵本です。
☆詳細&ご購入は画像をクリック。
「ベビーグッズは全部ミッフィーで揃えるの」
私の友達が子供を産んだ時そう言いました。
「それじゃあ、もう少し大きくなったらこの本を
読み聞かせしてあげてね」と、私がプレゼントしたのが
「子どもがはじめてであう絵本」です。
ブルーナの描く世界と石井桃子さんのシンプルにして美しい日本語が、
とても素晴らしく絵本の傑作といっても良いでしょう。
ブルーナ (著), 石井 桃子 (翻訳)