2024年5月の鑑賞リスト。例によって「DVD以外で初見のみカウント」というマイルールを適用。作品の頭には年間の通し番号をつけ、（ ）内は月間累計を表す。さらに、個人評価を★1～5で表し、作品の公式ホームページや予告編にジャンプするURLをつけた。
70（06）『人間の境界』★★★★★
原題の『GREEN BORDER』に関係してか、冒頭シーンのみカラーで森の空撮があるが、その後は全編モノクロで、ベラルーシ政府によって「人間兵器」としてポーランド国境から侵入させられる移民家族、彼らをベラルーシ側に送り返す国境警備隊員、なんとか救おうと奔走する人権活動家たちという複数の立場からの視点がスリリングに描かれる。
劇中では「ポーランド野郎」「ベラルーシ野郎」と両国の国境警備隊員が罵り合っていたが、現実でもロシアの戦術核兵器の配備をベラルーシが受け入れたことにより、ポーランドはアメリカがNATO（北大西洋条約機構）に配備する戦術核兵器を受け入れたいと表明するなど、ウクライナ戦争の中で核兵器の拡散、使用の危機に繋がりかねない緊張状態が続いている。
エピローグでポーランドとウクライナの国境をスムーズに通過するウクライナ国民たちの姿を見ながら、同じ人間なのにポーランドとベラルーシの国境で行ったり来たりさせられる難民たちと何がどう違うのか、考え込んでしまった。
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