2024年3月の鑑賞リスト。例によって「DVD以外で初見のみカウント」というマイルールを適用。作品の頭には年間の通し番号をつけ、( )内は月間累計を表す。さらに、個人評価を★1~5で表し、作品の公式ホームページや予告編にジャンプするURLをつけた。


52(20)『戦雲』★★★★★


山里節子さんの独唱に一気に引き込まれる。


山里さんと三上智恵監督の語りはそれぞれ素晴らしい。


山内若菜さんの描く絵のアニメーションによって、地理的な関係がすごくわかりやすく工夫されていると感心した。


アメリカと中国の間に挟まれて、戦争の準備が着々と進められる最前線で抵抗する人々の姿を見ていたら、悔し涙が出てきて仕方なかった。


特に宮古島市のパートで、楚南有香子さんの娘の明香里さんが座り込みしながらスマホのカメラで排除しようと近づいてくる国家権力の手先を撮影するシーンは、なんで小学生をこんな目に遭わさないといけないのだろうという気持ちでいっぱいになった。それでも6年生になった彼女が母のようになりたいと言うシーンは、自分のことのように嬉しくなった。


宮古島市議会議員になって市民の不安の声を議会に届ける下地茜さん、与那国島でカジキマグロの剣のような角に足を突かれながらもリベンジを誓って海に出る川田のオジイ、赤字でも牛の世話をしながら与那国町を戦場にさせないために発言をつづける小嶺博泉さん、2023年日本平和大会で報告してくれた狩野史江さん、お弁当のように多様な意見を住民投票で示そうと訴えた金城龍太郎さん、徴兵を逃れたお父さんの話をしてくれる森根昇さんなど、出てくる人たちが本当に魅力的。


平和な島で漁や家畜の世話ができる日常を過ごしてほしい。そして特別な日にはみんな笑顔でハーリー大会したり、エイサーを踊ったりしてほしい。そのためにもできるだけ多くの人に本作を観てもらい、危機感を共有して一緒に戦争に向かう動きを止めたいと思った。


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