2024年1月の鑑賞リスト。例によって「DVD以外で初見のみカウント」というマイルールを適用。作品の頭には年間の通し番号をつけ、( )内は月間累計を表す。さらに、個人評価を★1~5で表し、作品の公式ホームページや予告編にジャンプするURLをつけた。


11(11)『映画 ◯月◯日、区長になる女。』★★★★★


杉並区政初の女性首長誕生という歴史的快挙を区民の力で実現させたことをはじめ、当選した岸本聡子さんを支えようとその後におこなわれた区議会議員選挙では女性の新人候補者が次々と立候補し、多数の現職議員の落選とともに男女比も逆転するなど、まさに「女性の声が政治を変える」という区長選で岸本陣営が掲げたスローガン通りの結果に感無量。


岸本さんが予定候補者から候補者に、そして区長になるプロセスを見ながら、とにかく「よくぞ決意してくれました」と感謝の気持ちでいっぱいになった。彼女が予定候補者発表の記者会見で話した「自分の名前の『聡』という漢字は『公の心を聴く』という意味だと解釈している」という部分も首長にふさわしいと思う。


本作の重要なテーマとなっている「地域主権主義」という意味の英語「municipalism」は「ミュニシパリズム」と発音するのだが、その聞き慣れない言葉の響きを逆手に取って区長選の応援歌にしてしまうという区民のアイデアには脱帽したし、黒猫同盟がカバーした主題歌も心地よく耳に残る。


友人知人の顔がスクリーンにたくさん出てきたし、姿はなくともエンドクレジットで確認することができて誇らしい気持ちになった。


当選を知った後に岸本さんたちが万歳の代わりにおこなったコールの最後、「選挙は続くよ、どこまでも」はまさにその通りと膝を打った。本作に登場する人たちは「国民主権」や「民主主義」を体現していると思う。それは日本国憲法の基本原則であり、国民はこの普遍的な原則を常に全力で実現していかなければならないと前文で誓っているので、観た全ての人に問われているのだろう。


ペヤンヌマキ監督の猫&亀好きな側面も徹頭徹尾、スクリーンに刻まれている。特に監督がセルフインタビューするシーンで猫のミーちゃんがカメラに最接近してスクリーンがモフモフで覆われるシーンには、同じ猫好きとしてはニヤニヤが止まらなくなった。


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