20199月の鑑賞リスト。例によって「DVD以外で初見のみカウント」というマイルールを適用。作品の頭には年間の通し番号をつけ、( )内は月間累計を表す。さらに、個人評価を★15で表し、作品の公式ホームページや予告編にジャンプするURLをつけた。


11914)『プライベート・ウォー』★★★★


「恐怖を認めたら、目指す場所にたどり着けない。全てが終わった後に恐怖はやって来る」というメリー・コルヴィン記者の言葉は印象に残った。


戦場を取材している時に片目を失い眼帯をつけるようになり、PTSDのために毎晩のように悪夢にうなされてもなお戦場報道を続ける理由がぼくにはやっぱり理解できないけれど、「普通の生活が好きでも、想像できない」という言葉が表す通り、中毒のようになってしまっていたのかもしれない。


コルヴィン記者の仕事先には、常に破壊された建物と傷つき殺された人々がいるので、観ているのがつらくなってくる。


特に、シリアのホムスの病院に幼い子を抱いた両親が泣き叫びながら駆け込んでくるのだけれど、医療スタッフがいないので獣医が代わりに対応していてどうにもならないシーンでは、その子がぼくの愛してやまない息子の年齢と同じぐらいだったので涙が出て仕方なかった。


コルヴィン記者のような仕事ができる人はなかなかいないかもしれないけれど、戦争が遠い世界の出来事だと思っている人たちに、罪のない人たちが今目の前で殺され、苦しんでいるのだと伝える仕事はただただ凄いとしか言いようがなく、コルヴィン記者を演じたロザムンド・パイクの演技に圧倒された。


そして、戦場シーンがやたらリアルだと思ったら『ラッカは静かに虐殺されている』のマシュー・ハイネマン監督だったので納得した。


http://privatewar.jp/