昨日の台風、すごかったですね~。みなさんの地域は大丈夫でしたか?今、上陸してるよという地域の方、どうぞお気をつけて下さい。

それでは今回のテーマはインパクトレンチです。以前ブログでも取り上げさせていただいておりますが今一度少し考えてみましょう。

ディーラーさんや大手量販店のタイヤ屋さん等でよく見かける便利工具。エアータイプもあれば電動タイプもあります。



電動タイプともなればご自身で脱着等している方なんかは御用達なんじゃないですか?正しく使うことができれば確かに便利かもしれません。
ここでインパクトレンチのメリットについて調べてみました。
・ナットを回すときに力を必要としない。
・タイヤを固定させなくてもナットを回せる。
・作業効率が上がる
調べてみたところ細かい部分でまだまだいっぱいあるのですが大雑把に区分けするとこんな感じの意見が多かったです。
もちろん、これ以外で使っている方もいらっしゃるでしょう。

しかし、ここからはタイヤフィッターとしての経験からデメリットをお伝えします。
・手作業でしか感じられない感覚がある
下の写真を見て下さい。

ハブボルトの先端が潰れてしまっています。
これはインパクトレンチのソケットにナットを入れて、ボルトのネジ山がしっかり合っているかを確認せずに締め付けたものと思われます。
我々の場合、数多くの経験からそこでボルトのネジ山がずれていることに手の感覚で気づくことができます。

・金属疲労でボルトが折れる危険がある。
ボルトと言えども消耗品、使っていけばだんだん劣化していくのは当たり前です。しかし、その劣化した状態のボルトに無理にインパクトレンチを使うと簡単にボルトが折れてしまいます。

折れてしまうとボルトを打ちかえる費用はかかるし、そもそも安全に走ることはできなくなります。

・社外品のアルミホイールではインパクトレンチをNGにしているホイールがある。

社外品のアルミホイールの取扱説明書を見ると、「危険」という注意書きで、「取り付けナット(ボルト)の締め付けにインパクトレンチを使用しないでください。締めすぎやボルト・ナット・ホイール等の傷・変形を引き起こし、事故の原因となることがあります。トルクレンチを使用して、正しい締め付けトルクで締め付けてください」と記されています。

ちなみにこの「危険」というのは「取り扱いを誤った場合、死亡または重傷を負う危険性がきわめて高い内容です」という意味だそうです。

インパクトレンチをしようすると力が強すぎてオーバートルク気味にしまってしまいます。そうなるとボルトが折れる危険が高くなる。

あとは、社外ホイールの場合、センターボアのクリアランスが広く、センターボアでホイールの位置決めができないので、取り付け時、ホイールはスタッドボルトに釣り下がって
いる形になるので、ボルト穴のセンターも出ていない状態になります。
その状態で、インパクトレンチで一気に締めると、位置がでたらめになり、ナット座やホールに
傷をつけてしまう可能性があります。

・・・・もうお分かりですね?純正ホイール等ではナット座にはセンターボアのクリアランスがぴったりあっているのとホイール側のナットの受けの面に鉄ブッシュが入っているものが多いので、インパクトトレンチを使用してもダメージは最小限で済みます。
が、社外ホイールのナット座に鉄ブッシュが入ってないもので強力なパワーを持つインパクトレンチを使ってえぐるように締め付けていくとナット座の面がでこぼこになってしまう。しっかりと全体の面で接地してあげてこそのナットなのでそれが原因で異音がしたり、緩んでしまう危険があります。

「どうしてインパクトレンチを使わないの?」や「手作業で大変だね。」なんてよくお客様から言われますが、しかし考えてみるとインパクトレンチは使ってからのメリットより危険なデメリットの方が多いのです。危険を冒してまで効率を求めるならば、一つ一つ確認して作業を進めた方が後々効率がいいのではないかと思うのです。

あたりまえの作業で結構軽視されがちなこの作業、実は甘く見ると痛い目にあう!?そうならないようにどうかご注意下さい。
※このブログでは一部インタネットから拝借しているものもあります。