ラストノート 【モデルズ】 201 | 櫻の葉色

櫻の葉色

左利きマジョリティ

「腐」です。


苦手な方は、回避願います。







「………じゅん……?」




緊張している俺の気持ちが伝わって、まーも顔を強ばらせて 俺の言葉を待っている。




「……俺は……、、」



「………ん……。」



「……俺は……、   ずっと………、、」




心臓が、飛び出しそうだ。


たった一言を 言いたいだけなのに、その言葉が 出てこない。


モゾモゾと口篭る俺に、黙って聞いていた まーが 先に口を開いた。




「好きだよ。」



「………え……?」




予想だにしなかった 不意打ちの言葉に、固まる。


ブワッと熱くなった身体が、興奮で  痺れてくる。




「本当はね?     もっと、自分に 自信がついてから…、  えっと…。    とびきり カッコよくなってから、言うつもりだったんだけど……、、」




はにかむようにしゃべり続ける まーが、ハッキリと言葉に出来ない 不甲斐ない 自分よりも ずっとカッコよく見えて、 落ち込んだ。




「…………っ、、。     ……ごめん……。」



「……ぁ、、あ、  良いの、良いのっ。。    おれの方こそ、ごめんっ。    いきなり、こんな事言って 迷惑だよね。   今の、忘れて?     別に、じゅんを困らせたい訳じゃなくて。   ちゃんと、仕事はするから、っ、、」




思わず謝ってしまった俺に、ビクンと身体を揺らして 俺の言葉を 勘違いした まーが、 俺に弁解するように  早口で言葉を続ける。



俺は、慌てて まーの言葉を 遮った。




「違くて……っ!!!」



「……じゅん……?     あの……、ごめん…  ね…?    もう、変なコト 言わないから…、、」



「違う……、  まー……。     聞いて……?」



「イヤ…   だよ……。」



「……ずっと……、、」



「ごめん……、   ごめん   なさい……、、」




後退りして 逃げようとする まーの腕を掴んで、引き寄せた。



肘がテーブルに当たって、グラスや皿がガチャリと音を立てる。


顔を背ける まーの 頬を両手で押さえつけて 、鼻を擦り付けて 視界いっぱいに まーを見つめる。




「好きだ。」



「………な……   に……?」




涙を溜めた まーが 大きく目を見開いて 

瞬きをして、


頬を伝って 零れ落ちた涙を ゆっくりと親指で拭ってやれば、自分の身体が ジクジクと熱くなった。




「まーの事が、   好きです。」