身の程知らずな人がいる。
。。。そういう風にきくと、
え？
ひょっとして私の(僕の)ことじゃ！？？
と、
腹をたてる人もいるかもしれない。
そういう人ほど、
ぜひ読んでほしい。
若い頃、夢が大きかったんです。
そりゃそうだ。
親の管轄にあったこども時代が終わり、
青年期になると、
自分の可能性に気がつく。
世の中のすごい人やすごいことに、
自分を重ね、
あんな風になる！
あれよりも自分の方が成功できるさ！
全く根拠のない自信に充ち溢れている。
ある時、
デザイン系の学生ばかりのBBQに参加したことがある。
みんな若い。
食べ物なんかどんどん焦げて、
皿は風で飛ぶ、
砂埃は飛んでくる、
そんな中でみんなスマホ片手に立ち話。
食わんのか？(笑)
食べ物には全く興味がなさそうな若い学生たち。
『先生は◎◎系に就職しろって言うんだけど、
私は◎◎のオフィスを立ち上げて１年で賞をとって
東京に進出しようと思ってるんだよね。』
『自分でデザインのサイト作って閲覧者を増やせば
どんどん依頼がくるから
特に就職の必要なんて感じてないんだよね。』
・・・端で聞いていると、
恥ずかしいくらいに鼻息が洗い。
彼らは今どうしてるだろうか？
希望に溢れているときには、
大きな夢を持つが、
まだ、自分の滑走路のサインしか見ていない年齢だ。
一般道にも出ちゃいない。
夢が大きいということは、
自分が大きいのではなく、
自分は夢に対してちっぽけな存在だということなのだ。
だからその夢には、
大きな憧れがあるのであります。
いざ、その夢に踏み出してみると、
あれ？
と、
自分の力の小ささ、
視野の狭さ、
無知、無学、
経験のなさを思い知る。
多くの若い子らは、
『飛び出してみたら、何も思い通りにならなかった社会』
という現実に、
あっという間に希望を失くし、
自分の可能性未満の存在になってしまうかもしれない。
現実を、受け入れられない。
良いことばかりの未来を想像していたから、
目の前に迫る不自由なリアルから目を背ける。
身の程を知る、とは、
自分の夢と引き比べたときに、
自分が小さい存在だと気づき、
それを認めることをいう。
身の程を知らない人間は、
やっかいだ。
回りを振り回す。
いつの間にか回りから人がいなくなる。
しかし、
身の程を
知ったあとからが大切なのだ。
身の程に合わせた生き方に
下方修正なんてする必要は全くない。
大きな夢とちっぽけな自分。
とても繋がりそうもないその二つ。
とても到達できない遠いゴール。
それを、
少しずつ、一歩ずつ、
近づいていくその道を、
作っていくのが人生というものだ。
身の程を知らずに歩きだしてみても、
いつかつかれてしまうだろう。
夢に到達したときの素晴らしいビジョンを
想像し思い描くだけではダメなのだ。
夢に到達する地図を描けるように、
自分を日々、高めて行くことが
結局は必要で、且つ不可欠。
身の程を知ることは大切だ。
それが、夢に向かうスタートの合図だよ。
僕もまだ、夢を追う。
この人生で何を成し遂げたかというと、
これ！と自慢できるほどのものはあまりないけど、
それでも、
いろんな事に興味を持ち、
勤勉に生きていたら、
たくさんの頼れる友人
丈夫な体
運動や健康の知識
親が残してくれた山林
デザインや企画の技術
イタリア料理のレシピと少しのイタリア語
最愛の妻と牡蠣小屋翔栄丸
いつの間にかこれだけのものが、
僕の精神の財産になっていた。
身の程を知り、どうにもならない状況に何度も陥ったけど、
その都度何とかそれを乗り越えた。
身の程が、少ししっかりしてきたようだ。
だから今は、
人生の旅に不安がないのであります。
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