メキシコ・アグアスカリエンテスでは、5月中旬から雨季が到来します。

この時期は突然の豪雨や雷雨が多発し、毎年、交通事故や冠水、健康被害が報告されています。

ここでは、現地で実際に起きた事故例も交えながら、雨季を安全に過ごすための5つの注意点をご紹介します。




 【1】冠水した道路に車で進入しない


道路の冠水は、見た目よりも深く、車がエンストしたり水没するリスクがあります。

迷ったら無理をせず、迂回するのが最善策です。


もし入ってしまった場合は…

アクセルを踏み続けてマフラーに水が入らないようにする

車が止まったら、絶対にエアコンを切ること!(車内に排気ガスが逆流し、一酸化炭素中毒になる危険があります)


⚠️実際にアグアスカリエンテスでは、冠水で車が立ち往生し、家族全員が車内で中毒死した痛ましい事故が過去に発生しています。




 【2】水たまりの中を歩かない


雨の後の水たまり、一見無害に見えますが…

下水が逆流していることがあり感染症の危険

地中にむき出しの電線があると感電の危険

マンホールのフタが流されている可能性も!


→ 足元が見えない場所は極力避けましょう。




 【3】停電・落雷に備える


雷をともなうスコールもよく発生します。

そのため:

電化製品は雷が近づいたらコンセントから抜く

懐中電灯やモバイルバッテリーを常備しておくと安心です。




 【4】蚊の発生源をなくす


雨水がたまると、デング熱・ジカ熱などの感染症を媒介する蚊が大量発生します。

植木鉢の受け皿やバケツ、放置された空き瓶など、雨水のたまりやすい場所はこまめにチェック!




 【5】実際にあった事例から学ぶ


アグアスカリエンテス州では、雨季において車両が立ち往生し、乗員が命を落とす悲劇的な事故が複数発生しています。以下に、実際の事例とその状況をまとめました。




🚗 事例1:家族4人が車内で一酸化炭素中毒により死亡(2023年7月)


2023年7月11日、アグアスカリエンテス市東部のミラドール・デ・ラス・クルトゥラス地区で、家族4人(父35歳、母27歳、子供2人:10歳と生後10ヶ月)が乗った車が豪雨による冠水で立ち往生しました。車の排気口が水で塞がれた状態でエンジンをかけ続けたため、一酸化炭素が車内に充満し、全員が死亡しました。




🚗 事例2:女性2人が車内で一酸化炭素中毒により死亡(2018年6月)


2018年6月、アグアスカリエンテス市内で、女性2人が乗った車が冠水で立ち往生しました。雨を避けるために窓を閉め、エンジンをかけたままにしていたところ、排気ガスが車内に入り込み、一酸化炭素中毒で死亡しました。




🚗 事例3:男性が冠水したアンダーパスで溺死(2024年7月)


2024年7月26日、アグアスカリエンテス市内のエンリケ・エストラーダ通りと20 de Noviembre通りの交差点にあるアンダーパスで、男性が冠水した道路に車で進入し、溺死しました。現場では通行止めの措置が取られていましたが、男性はそれを無視して進入したと報告されています。 


雨季の安全対策おさらい

冠水した道路には進入しない:水深が浅く見えても、車両が流されたり、エンジンが停止する危険があります。

車内での待機は避ける:排気ガスが車内に入り込み、一酸化炭素中毒のリスクがあります。

天候情報を常に確認する:外出前に天気予報をチェックし、豪雨の予報がある場合は外出を控えましょう。

緊急時の連絡先を把握する:緊急時には以下の番号に連絡してください。


 🚨緊急時のために覚えておこう!アグアスカリエンテス州 緊急連絡先


万が一の事態にすぐ対応できるよう、スマホに登録したり、印刷して見える場所に貼っておきましょう。

 🌂まとめ


アグアスカリエンテスの雨季は、美しい雨の風景とともに、思わぬ危険も潜んでいます。

ちょっとした心がけが、大きな事故を防ぎます。