デング熱について
デング熱は、2日から7日の潜伏期間を経て発症する急性の発熱性疾患です。このウイルスは蚊によって媒介され、特に熱帯・亜熱帯地域に多く見られます。メキシコでは雨季にあたる5月から11月が特に注意すべき時期です。容器や水たまりに水が溜まることで蚊の繁殖に適した環境が整うため、メキシコではデング熱のリスクが高まります。最後の方に小児虫除けの紹介もいたします。
メキシコにおける現状
毎年この時期に常に懸念される問題であり、特にベラクルス州、ゲレーロ州、チアパス州、オアハカ州、キンタナ・ロー州などの沿岸や熱帯地域で頻発していますが、他の地域でも影響を及ぼすことがあります。メキシコ保健省などの保健当局は、蚊の繁殖を抑えるために高リスク地域で予防および噴霧活動を行っています。白いもやで通り過ぎる車がそうです。
現にアサガオ医療アシスタンスのお客様でもグアダラハラを中心にモンテレイまで大流行中です。
デング熱の症状
以下の症状がデング熱の初期兆候として現れることがあります:
- 激しい頭痛
- 突然の発熱(通常は39〜40℃)
- 目の奥の痛み
- 筋肉や骨の痛み(「骨折熱」とも呼ばれるほどの激しい痛み)
- 皮膚の発疹
- 吐き気や嘔吐(消化器系に影響)
- 全身の不快感
感染経路
デング熱は、Aedes aegypti という蚊に刺されることで感染します。この蚊は昼間に活動し、人々が多く集まる地域での感染リスクが高まります。デング熱の感染経路は蚊だけであり、人から人への直接感染はありません。
警告サイン(重症化の兆候)
以下の症状が見られた場合、重症デング熱への進行が疑われます。すぐに医師の診察を受けてください。
- 持続する嘔吐
- 強い腹痛
- 歯茎や鼻からの出血
- 極度の倦怠感や失神
- 肝腫大(肝臓の腫れ)
治療法
デング熱に対する特効薬はなく、症状を緩和する治療が中心となります。十分な水分補給が重要で、重症の場合は専門的な治療を受けるため病院への受診が推奨されます。また、アスピリンやイブプロフェンなどの薬は出血リスクを高めるため、使用を避ける必要があります。パラセタモール(アセトアミノフェン)が処方され安静にしてくださいと指示があります。
デング熱予防方法
メキシコでは特効薬がないため、予防が最も重要です。次の対策を講じて、蚊に刺されるリスクを減らしましょう:
- 虫除けスプレーの使用:デング熱の発生地域では、ディート(DEET)やピカリジン(Picaridin)といった成分を含む蚊除けスプレーを使用することが推奨されています。
- 長袖や長ズボンの着用
- 蚊帳や防虫ネットの使用
- 容器やバケツに水が溜まらないようにする(蚊の繁殖を防ぐ):蚊は水たまりに卵を産むため、使っていない容器やタイヤ、植木鉢の水を取り除くことが重要です。
- エアコンや扇風機を使う:蚊は風を嫌うため、空気の流れを作ることで寄り付きにくくなります。
小児虫よけのアドバイス
生後0か月
虫よけスプレーの使用はできません。代わりに、以下の対策を行います。
- ベビーベッド、窓、ドアに蚊帳を取り付ける。
- 熱のこもりにくい長袖と長ズボンを着せる。
生後2〜6か月
シトロネラまたはIR3535を10%含む虫よけスプレーを使用できます。
- 効果持続時間:2時間
- 効果持続時間:3〜5時間
生後6か月以上
ピカリジンを5〜20%含む虫よけスプレーを使用できます。
- 効果持続時間:3〜8時間
2歳以上(最も効果的)※肌の弱い大人にも推奨
DEETを10〜30%含む虫よけスプレーを使用できます。
- 効果持続時間:2〜5時間
注意事項
- 虫よけは服や露出した肌のみに使用してください。顔や手への塗布は避けましょう。
- 虫よけのラベルを読み、使用方法に従ってください。
いかがでしたでしょうか。
デング熱の予防と早期発見に努め、健康を守りましょう。