ある意味変化球の銃撃戦。
これだけ倉庫という狭い空間に複数の弾丸が飛び交いながらも、中々人が死なない。
別に弾丸決裁を否定した人道主義でも、不死のゾンビでもない。
1時間半の尺内、1時間以上はただ減らず口を叩きながら、敵も味方ももみくちゃで撃ち合っている。
一発必中で急所には当たらず、流血しながらもしつこく生き続けるのだ。
一度は死んだかと思えば、また再起動して活動するなど、
人が死に過ぎる映画は数多あれども、ここまで執拗に死なない作品は珍しい。
確信犯に死なないバトルロワイアルをどこか馬鹿馬鹿しく、滑稽に描いている。
人物の位置関係や弾道、弾数、着弾位置などはちゃんと設計されているらしいが、
ただ銃撃戦が始まってからの展開はダラダラ。
銃声だけが高らかに鳴り響くけど、
肝心の演出で物語に間を持たせることが出来ずに、段々と飽きてくる。
一応は銃取引のため、売り手と買い手の思惑が入り乱れ、
敵対関係は明確だけど、予想外の第三の狙撃者が現れ、更には両者の中に裏切り者の存在が
浮かび上がってくるなどタランティーノ以降使い古された既視感いっぱいの展開。
ただ回想シーンの挿入はあれども、余り時系列はいじらずに、
直線的に進行形で物語を進めるため、どうしても緊迫感が薄れてくる。
80年代ファションと音楽濃い面子を揃え、キャラクターの描き分けもきっちりあるけど、
1時間半という短尺にもかかわらず、メリハリがなくダラダラ展開が続くのがちょっと残念。
偏愛度合★★★