「女性監督やな」
終映後、開口一番の奥さんの言葉である。
「人のセックスを笑うな」も観ているが井口監督が女性とは無知だったお恥ずかしいことだ。
そうか、そういう解釈もあるのかと腑に落ちた。
オノマチが胸に手を入れ下着を直すシーンとか、
ベッドで服を着るシーンとか同性でないと描かない生々しい現実的な細部だ。
同性同志には異性(男)からの視線にようなファンタジーに要素はない。

全体が繋がった。

なかなか見所いっぱいの豪華女優陣の曝け出した感じは
同性で監督への信頼であり、安心感なのかもしれない。
脚本、演出、演技(アドリブを含む)のブレンド具合は不明だが、
全員がどこかしら生々しい感じはコレに起因していそうだ。

原作は読んだが、読んでいないすら覚えていない印象の薄さだが、
明確な起承転結のない雰囲気作品なのだろう。映画にもそこは継承されている。

女性の狭間をふらりふらりと彷徨う竹野内豊もいい感じ。
現実感はなく、ぼ~と漂い、バリトンの声だけが渋く聞こえる。
演技していないような演技で「せんない」男を好演している。いいな。

小道具や動物(猫のナウが名演)、衣装などにも見惚れる。
唯一難ありが、
ハリオ社のネルドリッパーにジャバジャバお湯を注ぐこと、ネルが真っ新なことかな。

偏愛度数★★★(★★★★に限りなく近い)