大物ミュージシャンの発売後、
即封印された幻の音源を発掘、世界初CD化などと煽ら
ポチって届いたCDが単なる針起こしの劣悪ブートレッグ並みの音質で
おまけに使用マスターの関係でステレオがモノナルになっているという代物。

……と些かマニアックな比喩だが、これがまさしくこの映画。

57年に一度だけオンエアされた作品をヘプバーン没後20周年を記念してHD復元化。
その仕事が雑過ぎる。
マスターの関係で放映時はカラーだったものがモノクロとなり、
ノイズや再撮影のような粗い映像は鑑賞に耐えられる代物ではない。
単館限定公開といえどもロードショーで金を取るならばも
しかるべきクオリティの修正版を用意すべきだろう。

確かに脂の乗ったヘプバーンの美しさは際立っているが、それだけ。
作劇やテンポの古臭さ、というより実際に古いので仕方がないが、
彼女に役柄も薄っぺらい単なる可愛いお人形さんなのだ。

余程時間と金に余裕がある方以外は無視してもう一度封印して差し支えない作品。

偏愛度数★