理事長がやって来た。
総務部5人に緊張感がはしる。
15:00頃 1人でやって来た。
運転手は、まだ決まっていないらしく、自分
で運転して来たようだった。
パッとみ80代の叔父様で、ほっそりとして
シワが深く刻まれていた。
何か文句でも言いそうな、キュッと結ばれ
た口元にヒヤッとしながらも、
ミホは、急いで練習したとうりに冷蔵庫
から理事長専用のほうじ茶を専用
のコップに入れコースターも用意し、
応接室に向かう。
トントンと穏やかにノックした。
ジーと見つめる視線を感じながら、シーン
と静まりかえった所で緊張感はマックス。
優しく音を立てずに、テーブルに置いたと
同時に部屋を出ようと足を踏み出した瞬間
に理事長から「今日から?。」と声
をかけられる。
ミホ「はい」と微笑む
何を話していいか分からない緊張感。
出来るだけ早くこの場を離れ無ければなら
ない。タイミングを見計らっていた。
すると、矢継ぎ早に質問が飛んでくる。
理事長「仕事は出来ることを焦らずやって
くれたらいいから。何処から来てるか?
交通手段は? 。」
ミホはハイとか聞かれたことに素早く答える。
変にどっかで失礼があって怒鳴られるのを
避けたいところ。敬語にうるさいらしく
面倒だ。
ドアにあと少しで手が届くところで
向かいに座るように促された。
とうとう観念しゆっくり椅子に腰を下ろす。
得体のしれない人物で社内の評判が悪い
人ほど上手なあしらい方が試される。
心臓ドキドキ限界値。
まずは気持ちを落ち着かせ、ニッコリ笑顔を
見せた。
理事長「普通でいいから。」と声をかける
気があう訳ではないが、相性が悪いわけも
なく。理事長がミホを好意的に思って
いたので、話しが盛り上がった。
世間話で盛り上がる。
理事長は、2駅向こうに事務所を借りて
るらしく、こじんまりしているが
居心地はいい。
本社工場の匂いがダメで、父親から会社
を任されてすぐに事務所を借りて、
仕事している事など話してくれた。
そして、向こうの事務所で秘書をして
くれる人を探しているらしいこと。
理事長「私の秘書になりませんか?」
突然だった。
履歴書を見てちゃんとした人だと思って
話してみてお願いしたいと思った事
ミホ「え!。」
そんな言葉が出てくる とは思ってなかった
ので驚いた。1ヵ月でひっそり辞める
つもりだったので微妙だった。
まあとにかく事務所を見に来て欲しい。
というので突如、行くことになった。
今、匂いに不満があるし、どうせなら
普通の空気を吸ってみたい。
せかされるまま本社工場を後にして、
理事長が運転する車の助手席にいた。
ラッキーなのか、1日たたない間に
ここから抜け出せた。
やれやれ
理事長も話してみると、とてもいい人
で楽だった。
相性がよければ秘書も悪くない。
事務所が気に入れば、辞める必要も無い。
履歴書や職務経歴書を書く煩わしさと
面接で根ほり葉堀り聞かれることから
も解放されいつもの日常に戻れる。
ホッとすると、どんな事務所か気になり
出した。