ミホは具合が悪くなってきた。
総務の4人は、優しい。
匂いさえ無ければ、人間関係は完璧。
部長は時々、「冷蔵庫のお茶を飲んでね。」
とか気にかけてくれる。
課長の眼差しも優しい。
玲子さんも、7月に辞める予定の泉さんも
いい感じで仕事もしやすい。
同じ悪臭を乗り越える仲間意識だろうか。
少しでも嫌な事言って辞められるのを
恐れてる。
4人がここに入社した理由が気になる
ところ。泉さんは、若いし地方から
都会の職場に就職といったところだろう。
玲子さんは、離婚母子家庭でダブルワーク
の末こちらに辿り着いたらしい。
部長や課長は、10年以上働いてそうだ。
とってもいい人だし、仕事が出来そう
なのにここで満足してるのが疑問。
聞く勇気はないが、長年勤めた会社の
早期退職とか、会社が倒産とか何か
の理由があるのは感じる。
給料は良くても、人が定着しないから
その分の仕事は増える。
匂いだけでもキツイけど‥
脂も混ざってるから、気持ち悪い空気。
少しだけ息を吸ってここで仕事して
なんだか泣きたいなあって思う。
ここに来る前にどこか決まってればなあ。
お盆の後ぐらいに求人が増えるらしい
からしばらくの我慢だけど‥
真夏に向かっていて、強烈な腐敗 脂臭
は尋常じゃない。虫も工場に引き寄せ
られる恐ろしさ。
想像するとダメかも。
理事長のお茶係なので
給湯室に行って準備。
冷蔵庫のほうじ茶が好みらしい。
社員は緑茶で緑
理事長は、ほうじ茶で茶色
色で差別化してるのが、社員を見下し
てるような感じもする。
ミホは、緑茶ではなくほうじ茶をコップに
入れ飲んでみた。まあまあ
緑茶の方が回転早いし、新鮮だ。
社員は緑茶飲み放題だから助かる。
理事長専用のコップもあって、社員と
差別化してるのが理解できない。
ミホは、人間皆んな平等だと思って
生きてきてるので、分かりやすい
差別化をみると、呆れてしまう。
上に立つ人ほど、立派で広い心を持ち
合わせてないと社員との間で気持ちの
ズレが出る。
社員は差別化されても、ついていける
だろうか? やっつけ仕事が存在する
だろう。もっと会社の売り上げに
貢献しようとか思えるかどうか。
そろそろお昼なので、玲子さんが呼びに
きた。奥の応接室で食事をする。
玲子さんはパンでミホはお弁当だった。
ミホは、食欲が無い。でも
玲子さんに心配されると悪いから
頑張って食事を口に運ぶ。
玲子さんは、なんともないようで
パン2個を完食。
ミホもなんとか完食。
玲子さんは、会社から7つ向こうの駅に
住んでいるらしい。
ここで働いてる人は、ちょっと離れた場所に
住んでることが多いと思う。
近場だと、前々からあまりよく思って
いないだろうし、近所で噂になることを
考えると面接すら来ないような気がする。
初めっから選択肢にないだろう。
理事長がやって来た。