今日も弟に会いに行きました。

面会は相変わらず15時からなのでそれまでは家で待機。

私は明日の学校の課題をやってましたが、お父さんはじっとしてても

落ち着かないらしく、お風呂場を3時間くらいかけて掃除してました。

お風呂入ったらぴかぴかでした。

課題やってる間は、それ以外のことは忘れられるから逆に落ち着くような気もしたけど

考えてる間に、他のことも頭によぎったりして集中できるのかできないのか微妙なとこです。


今日は早めに家を出ようといいだした張本人のお父さんが時間になっても

お風呂掃除をやめず、会いに行くのが怖いのかな、なんて気も少ししました。



病院についてICUに通され、2人1組15分だけの面会。

弟は相変わらず眠ってました。

昨日付いてた鼻血がきれいに拭かれてて、今日綿棒もってったけど

よかったと思いました。

脈拍も安定していて、血圧は少し高めだったけど、看護士の方からは許容範囲だと言われました。

一緒に行ったお母さんは、弟の手とか顔とか髪をなでて声をかけていたけれど

私はまた、そこに立ちつくしてただただ泣くことしかできませんでした。

やっぱりまだ小説とかドラマの中にいるようにしか感じられなくて、

そこにいるのは確かに弟なんだけど、あくまで弟を成す物質で、本当の弟じゃないような

本当の「弟」といえるもの、中核をなすものがポッカリ空いてしまった抜け殻のような、そんな感じがしました。


今日は肺からの管が1本取れたようです。

肺に空気の固まりができてしまう気胸という症状がなくなった、肺の方は安心して大丈夫と

看護師の方は言いました。

少し安心はしましたが、肺の方「は」 という言葉がひっかかりました。

安心しても大丈夫なのは肺だけで脳は・・・という言葉の裏返しにも取れたからです。

脳は明日のCTをとるまで何とも言えないと言われました。

私は、弟が大好きな一青窈の曲を聴かせるためにMP3プレーヤーをもってったのですが、

涙がのどにつまって、イヤホンをつけても大丈夫なのか看護師の方に聞けず、時間がきてしまい退室しました。


お父さんと一番下の弟が病室に入ってる間、ある程度落ち着いた私はお母さんに今日音楽を弟に

聞かせるために持ってきたこと、1曲だけでもいいから聞かせてあげたいことをいいました。


お父さんたちがつかの間の面会を終えて帰ってくると、お母さんが病院の方に聞かせてあげられないか

頼んでくれました。

病院の方は快く、聞き入れてくれ、MP3を渡し、私たちはまた待合室で音楽を聴き終わるのを待ってました。

人が音楽を聴くのを待ったのは初めてですw

最初は1曲だけってことでしたが、20分くらい待ってたのでもっとたくさん聞かせてあげられてよかったと

思いました。

「もらい泣き」から「ハナミズキ」にBESTアルバムの曲を弟は聴いていました。

病院でずっと眠ってるのは退屈だろうから、という発想で持って行きましたが、音楽の力で脳が少しでも良くなってくれれば・・・なんて期待を抱いていたのも事実です。

音楽を聴かせてあげることについては両親も賛同してくれました。

生きてくれているうちは、どんな希望も持てることを実感しました。


帰る車の中で、交通事故にあった被害者の家族のブログを観ました。

すでに亡くなってしまった方もいれば、今も大きな後遺症と闘う方までいて、自分の家族だけが

奈落の底に落とされたという気持ちが少しラクになった気がします。



冷静に考えますが、弟は能に損傷を負っています。

能の傷は現在の医学では生涯治ることはないそうです。

弟が意識を戻すことはないかもしれないし、もし意識が戻っても後遺症と一生付き合っていく可能性も十分考えないといけない状況です。

でも生きてる間はどんな希望も持てると信じてます。

一番下の弟は「明日病院に行ったら、普通に起きてヘラヘラ笑ってるんじゃないか」って言ってました。

「もし、1ヶ月間意識がなくても、クリスマスにひょっこりサプライズで元気になるかもしれない」

なんて私よりも前向きで、ちょっと頼もしくも思えました。


私は車の運転がうまい、今は眠り続ける弟にずっと運転を習おうと思ってました。

1回弟が運転をみてあげるとお台場に連れて行ってくれました。

「やっぱり君は運転がヘタだから任せられない、そこで交代ね」

と言われたことを鮮明に覚えてます。

事故が起こってからは、もう弟に教えてもらうことも

苦い言葉をかけられることも今後ないんだ。。

と何でもっと早く頼まなかったのかという後悔と悲しさでいっぱいいっぱいだったけど

今は、なんだか今生じゃなくてもいいような気がしました。

後遺症やそういったもので前の弟ではなくなってしまっても、それを悲しむんじゃなくて

次につなげられる希望をもとうと思いました。

また来世で、今は抜けた弟の中核を成す人に出会って、そこでまた運転を教えてもらえたら

それでいいんだ、と思うようにしますが、やっぱり涙はこぼれます。

でも本当に心からそう思えたらずっとずっと心がラクになるような気がします。


だから、

今何かの縁で出会った人、家族でも友達も恋人も、もしかしたら前世の続きかもしれないと思いました。

前世の人が何らかの理由で離ればなれになってしまった人が現世ですぐそばにいてくれる人なのかもしれないです。

そう思ったら今の出会いをもっと大事にしなきゃいけないなぁって思いました。



明日はCTの再検査です。

気になりますが、学校に行きます。

バイトも部活も少なくともICUにいる間は休もうと思いますが、授業には出ます。


今持ってる淡い希望が明日の検査で消えませんように・・・。

弟が少しでも良くなっていますように・・・。