私の母は、毛の生えている動物は、ペットとして飼いたくない、というポリシーの持ち主だった。だから、子供の頃、クラスメートが、犬、猫、ハムスターを飼っているの、と聞く羨ましくて仕方がなかった。

 

事実、唯一飼うことが出来たのは、金魚だった。

 

子供の頃に、ペットを飼うという経験は無く、社会人になってからは、家と仕事場の往復で、休日は疲労で一日中寝ているような生活だったから、ペットを飼う心の余裕さえなかった。

 

その内、私の人生に、ペットは不要、そんな思い込みを持つようになった。

 

所が夫は所謂、Animal Lover。でも、お互いに昼間は仕事をしているし、当時住んでいたアパートは、ペット不可。二人で話し合って、ペットは飼わない、という事にしていた。

 

ある日、義理のお姉さんから連絡があった。義理のお父さんが最後に飼っていた犬に子犬が産まれたというのだ。

 

心の中で、何かが弾けた。

 

大好きだった義理のお父さんが、私たちに残してくれたような気がしたのだ。それで、私たちは、生まれた子犬の二匹を引き取る事にした。私たちが昼間外出する間、一緒に過ごすもう一匹がいれば、おたがいにさみしくないんじゃないか、と思ったからだ。

 

あれから10年。人生いろいろあったけど、何度彼らのお陰で数々の困難を乗り越えて来られたことか。

 

しんどい時は、彼らをぎゅっと抱きしめるだけで、心が落ち着く。存在自体がセラピストなのだ。

 

イタズラはするし、粗相をする事もあるし、吠えて吠えてうるさい事もある。でも、許せてしまうのだ。

 

無償の愛を教えてもらったのも彼らだ。もう、犬無しの人生なんて、考えられない。

 

人は変わるものだな、とつくづく思う。

Our dogs changed my life completely by teaching me how greateful and beautiful the unconditional love is.