気分が落ちてるにもかかわらず

以前から気になってた山本直樹「レッド」を一気読みした。

もっと心が落ち着いてる時に読めばよかったと激しく後悔。

物語が進むごとに歪んで陰鬱で救いがまるでない陰惨な状況になっていく

その様が、心の不調でダウンした状態で読むとことさら前頭葉を揺さぶり

危うい精神状態になりかけた。

 

リーダー的男性から「総括しろ」と言われたら事実上の詰みという状況。

仲間全員があらゆる言いがかりやこじつけやレッテル張りや論理の飛躍の

集中砲火で制裁対象とし死に至らしめる過程が怖すぎる。

実話を忠実に漫画化してるというのもさらに後味が悪い

(連合赤軍による同志12名リンチ殺人事件:山岳ベース事件)

あまりに陰湿な読後感なので口直しにゴールディングの「蠅の王」を読んだ。

口直しになってないか💦

孤絶した状況で仲間同士殺しあうという定番シチュエーションの元祖にして

金字塔な作品なので。

「蠅の王」の場合はラストで大人たちが救助船で島に来るという”絶対上位”の登場で

なんとか地獄が終わる兆しが見れるが、レッドの場合は

″偏狂的な政治思想に凝り固まった大人の集団”なので救いも何もあったもんじゃない。

どこかの文学者が「人間の本性は十五少年漂流記よりも蠅の王に近いよね」と

言ってたな。集団心理が悪いほうに作用すると確かにそうかもしれない。

自分の場合、人間は性悪説と性善説が6:4ぐらいのバランスで拮抗していると思ってる

いやもっと突っ込んで言うと善でも悪でもない、間抜けな存在だと思ってる。