インフルエンザが流行中。日頃から手洗いと小まめな水分補給は欠かさない。このおかげで風邪を引くことも無く、ピンピンしているのだが…。(医者に言わせると気休め程度の効果しか無いらしい)
少し前、抗菌グッズなるものが流行した。風邪や病気予防には殺菌・除菌は欠かせないものだが、潔癖症も度が過ぎると・・・と思わせるような振る舞いをする人も増えた。菌と言っても一口に、人間に害を及ぼすものばかりではない。そっち系の知識はあまりないので、納豆菌とか乳酸菌、ガゼイン菌くらいしか知らないのだが。キノコだって菌類だしね。
話が逸れた。さて、本題は体罰について、だ。最近のマスコミや著名人の発言から成る「世論」は、体罰を徹底的に除去しようとする動きが見られる。橋下市長の桜宮高校の入試中止発言や、柔道五輪の監督辞任などもあって、体罰に対する見方は、徹底的に排除しようと加速するように見える。
確かに、人が死ぬとか大怪我を招くような体罰は本末転倒だし、十数人の選手が訴えるような事態は排除して当たり前と思う。その点は賛成したい。だけど、「痛み」を排するような徹底した体罰排除はいかがなものか、と思う。
平手打ち一つ取っても、叩かれれば痛い、自分に非があることを教えるための痛みは、虐待ではない。
痛みを知ることで人は社会ルールを守ろうと考えるし、言葉や文章だけでは伝わらないことだってあるはずだ。
平手打ちすら禁止、というのは抗菌グッズのように過剰反応しすぎなんじゃないかと思う。
勝利至上主義の否定、というのも一定の理解は出来る。高校生までの部活動レベルであれば、教育の現場でもあるわけだ。敗北で味わう悔しさや反省、チームメイトとの共感を大事にしていくという点で、勝利至上主義は否定していい。敗北が恥、という考え方は捨てさせる考え自体は賛同出来る。敗北したから殴る蹴る、というのは排するのは当たり前の話だ。
社会暴力に対しては排除していい。虐待に対しても排除していい。だが痛みによって学んだり覚えたり知ることだってある。徹底的に排除してしまうのは必要なものまで”殺菌”してしまうことになりかねないのでは?