東京都の教育委員会が国歌斉唱に不起立、国旗掲揚を妨害した職員を懲戒した件について、最高裁が判断を下した。
簡単に結果を書くと、『処分するには相当な理由が必要だよね』として、職員の一部の処分が取り消しとなった。ただ、最も軽い処分である戒告処分を受けた職員に対しては『妥当なセンじゃね?』として取り消しはしなかった。
んでまぁ、国歌斉唱について歌わない理由について考えてみよう。教職員のみならず会社員でも学生でも、定年過ぎたオッサンオバサンでも歌いたくない人というのはいるだろう。だけど公務員は『税金で食わしてもらってるくせに国家に従わないとかナメてんのか』という背景があるために標的となっている。
歌いたくない理由は様々だけど、だいたい聞いたことがあるのは『天皇崇拝』『戦争時代からの名残』あたりかな。
俺はこれらの理由について反対だ。時代遅れで現代の社会背景に全くマッチしない理由だと思う。
現代で日本が戦争を起こした背景を正確に答えられる人はどれだけいるだろうか。少なくとも社会の教科書には『戦争がありました』くらいの記述しか無かったと思う。東郷平八郎や山本五十六なんて名前知ってるだけって人も居るんじゃないか?
実際俺も正確に答えられない人間の一人なんだが、簡単に書くと『軍部の暴走』『領土拡大、資源の獲得』『アジアの平和安定を目指した』云々あたりじゃないかと。『平和安定』を『侵略』『支配』と解釈するかどうかは個人の問題だろう。
で、前置きが長くなったけど結論を書くと、『この現代で当時のような戦争教育、天皇崇拝に教育方針が変わってしまうことは、国そのものが変わらない限り起こらない』。
今の日本男子が紙切れ一枚郵送されて特攻しろと言われても行くわけがない。せいぜい一致団結して逆に政府に噛み付こうとするだろう。昔に比べて根性が無い、武士道精神というものが無いということだ。まぁそれが逆に良い部分であるとも言えるんだけどね。
次に天皇崇拝について。現代の一般国民のほとんどが、天皇家のことを『税金で食わしてもらって、働かないでゴシップ雑誌で息子の嫁や娘がネタにされてる一家』くらいの位置付けに思ってるんじゃないかな。ただ天皇のことをもうちょっと詳しく書くと、天皇は終身制で死ぬまで辞められない。引退や定年というものは存在しない。そして国内行事や海外の首脳と会ったりで世界中を飛び回る忙しい人なのだ。しかもこれ無収入で。病気だなんだってのもお構い無し。決してノホホンとしてる一家ではないのだ。
そういう忙しい人なんだけど、実際に報道してるのは『ノホホンと笑って手を振ってる』映像だけ。一般国民目線で見れば『ただの爺さん』なのだ。
ハッキリ言おう。『ただの爺さん』を崇拝するか?したいと思うか?
天皇がクソ忙しくて死ぬまで辞められない人間だと分かって居ても、現代人が崇拝すると思うか?逆に変な新興宗教みたいだと教育委員会や文科省にクレームが飛んでくると思うのだが。
だから君が代を歌おうがなんだろうが、『戦争容認』『天皇崇拝』に結び付かないだろう。国民目線で見れば、余計な脚色を抜けば爺さんは爺さんだ。それ以上もそれ以下も無い。
だから歌わないセンセーは『国歌を歌う』ことに過敏に反応しすぎなんじゃね?と言いたいわけよ。
話変わるけどもう一つ。もし今後、日本が戦争を起こすとしたらその動機はもっと人間じみた動機になる。『食糧』『資源』『カネ』という人間的動機になるんじゃないか?…まぁ戦争するとしたら、『日本』という国そのものが変わるというハードルがあるわけだけど。