実は今朝、親戚から電話があった。従兄弟が自殺したと言う。親父が葬式に出ることになった。自殺したのは二十歳の従兄弟だった。
その従兄弟とは 小さい頃に会っただけで、俺には少年の面影しかない。父親とは死別していて、母一人子一人で生きていた。
自殺した動機については何もわからない。ただ残された叔母さんの気持ちはどんなものだっただろう。それもうっすらとわかるだけで、俺には推し量れない。
俺だって死にたいと思ったことは何度かある。でもそれは実行に移すことは別のことだ。実行に移せないのは生きたいという本能があるからだ。本能すらも上回るだけの動機があったと言うことか。
自殺はいけない、生きることを諦めるなと言うのは簡単だ。上っ面だけで言うだけなら簡単なのだ。でも、言葉だけでは片付けられない根深さがあるのだろう。