朝。ケータイの目覚ましのメロディが鳴り響く。もうこんな時間か。夜更かしはいつものことだが、ちょっと眠い。布団のぬくもりから離れられず、俺は閉じこもる。…すると。
『グッモーニ~~~~ン!オラ!さっさと起きろ!!』
…そうだった。このクソ兄貴がいたんだった。仕事を転職し、しばらくの間有休消化で休みまくりのクソ兄貴。毎日仕事で忙しい俺を気遣う様子もまるでなく、憑き物がとれたかのようなテンションの高い声で起こしてくる。
俺にはわかる。コイツはわざとやっている。いつもそうなのだ。白々しいにもほどがある。
ああ、コイツとずっと一緒なのか。懐かしさと共にムカつきと朝の寒さを感じながら、コーヒーの匂いをかいだ。