もはや20代と言っても正真正銘のアラサーだけどさ、今まで何度も挫折したことがある。
失恋なんて序の口、将来が否定されたみたいな最初の挫折を味わったのは今から10年前。
そう、ちょうど今頃、センター試験のシーズンだった。その頃の俺は来るべき大学受験に向けて、ひたすら勉強し続けてた。
常に自分の限界ギリギリに目標設定して少しでも問題を解こう、少しでも英単語を覚えようと躍起になっていた。その頃は精神的にも自分を追い込んでいて、家族と接する時間も惜しくて、学校に行くのも面倒で学校をサボって自宅や市立図書館で勉強してた。
そんな状態で臨んだセンター試験。全国模試の成績は偏差値60前後をキープ。準備万端、あとはひたすら問題を解くだけだ。
得意教科の数学。ここだけは外せない。そう思って臨んだのだが…。
解けない。進まない。
頭がいきなり真っ白になる。あれ?この式なんだっけ?どうやって解くんだっけ?頭には脂汗。手も震える。マークできない。その日は雪が降っていて、足元がやけに寒かった。頭は血が上って熱い。その温度差のせいなのか、焦りのせいなのか、頭がますます白くなっていく。
案の定、結果は散々だった。もうどうしたらいいのか分からず、ここまでやってきた自分を真っ向から否定された気分だった。
虚無感だけが残り、自分がからっぽになった気分だった。
しばらく寝込みたかったが、二次試験の受験申し込みの日は迫っている。進路はどうするんだ?今なら私立でもいけるところはいける。ここまでやったんなら妥協したっていい。
散々悩んだ結果は…志望変更せず、続行だった。
『センターの結果がなんだって言うんだ、満点とりゃいーんだろが!』
あのときは相当イカれてたと思う。開き直りとも言えるけど、あの時の自分を今の俺が見たとしても、イカれてたと思う。
そこからバカになって一心不乱に最初から復習しなおし、自分よりもレベルの高い問題に四苦八苦しながら臨みつづけた結果…。なんとか合格!
あんなにイカれた状態になったのは今後の人生あるのだろうか?崖っぷち、失敗したら後が無い。
でも、イカれたとはいえ、妥協せずにあえて自分自身を飛び込ませて投げつけたかのような体験は、いい経験だった…。
『人生かけて勝負してるんだー!』みたいな感じで。