「先輩って、いつも否定的な見方をするんですね」
ちょっとドキッとした。
俺は他人からの話や、提案・アイデアなどを聞くと、逆説的な考えや反証を言ったりすることが結構多い。
もちろん、これは職場やビジネスの場面だけに限る。
プライベートや家族の間でこんな話ばかりしてたら息が詰まって仕方ないからだ。
じゃあ、俺がなぜ”否定的な見方”をするのかっていうと、
他人から物事を言われるがまま流されるのが嫌いだからだ。
人の言うことをそのまま嫌いなヒネクレモノだから、ということももちろんあるが。
でも、なんでもかんでも他人の言うことを肯定的にとらえて、イイコトあったか?
自分の考えが無いとか後ろ指さされたり、疑問を持たないまま物事が進んで、
土壇場でミスが発覚したりすることのほうが多くなかったか?
肯定的に物事を推し進めることが必ずしもポジティブとは限らない。
建設的に物事を進めるには、否定的なものの見方も必要なんだと思う。
もちろん、否定したり反証したりして、それでもなお解決できるだけの用意が
相手に出来ているのであれば、俺はその意見を支持する。
逆に、何も考えずに両手を挙げて相手に頭を垂れて支持してるだけのヤツのほうが
俺は信用できない。
だから、俺みたいなモノの見方をするヤツが組織には、あるいは集団には
必要なんだと思う。
だけど、俺の真意が伝わっていないのがちょっと悲しかったな~~~。
どういう風に思われていたのかな?
いっつも相手の言うことを否定するヒネクレモノとか、
自分が一番だとか思ってるようなイヤなヤツだとか思われていたんだろか?
う~~ん、俺の意図を汲み取ってくれないか・・・。
「先輩って、いつも”めんどくさい”って言いますよね」
これも言われた。
だが、これは”あえて”口グセのように言ってる。
俺は技術者だから、技術者だからこその考え方なのかもしれないが、
人間の技術の発展は、”めんどくさい”から端を発していると思ってるのだ。
”めんどくさい”からこそ、洗濯機や掃除機などの家電が出来たわけだし、
”めんどくさい”からこそ、ケータイ電話に色々機能がつきまくってるわけだ。
めんどくさくなかったら、ケータイにカメラだのアラームだのスケジューラだの
サイト検索などいらんだろう?
いつでもどこでも使えるケータイだからこそ、色々機能をつけて
”めんどくさい”ことをすぐに出来るようにしているわけだ。
もちろん、全ての技術が”めんどくさい”から端を発しているわけではない。
機能的なもの=技術であるならば、芸術は必要ないし、文化やエンターテイメント、
スポーツなどは発展しなかっただろう。
俺が技術者だからこそ、そう考えているだけの話だ。
技術者だからこそ、一番やっちゃいけないのが、
他人から言われてめんどくさいと思っているのに、それを甘んじて受け、
それを解決する術もロクに考えずに、言うことを聞くことを美徳とすることだ。
俺から言わせればこんなものは美徳でもなんでもなく、むしろ悪徳だ。
考えることを放棄している。自分の能力を自分からスポイルしているようなもので、
例え具体的な結論が出なくても、アプローチをしたり、どこが問題になってるのかを
洗い出すだけでも十分前進だと思うんだけどなぁ。
もちろん、ただ単に口グセで”めんどくさい”連発してるだけでは、
それではただのナマケモノだ。
後輩はそのへんを意に汲んでくれなかったのかなぁ。
部署が違うんで、そのへんがちょっと残念だ(笑)