お嬢がまた、“体調を崩した”を理由に会社に来なくなってから約三週間。 その間に、しびれを切らした私はお代官に、彼女には、私の仕事を引き継がせる事は技量的に見ても不可能だと言う事、かと言って、現在私の仕事を半分ほど引き受け(半分はまだ自分でやっている)、ようやく慣れ始めたハー坊に、これ以上の無理は、今はさせたくはない事、かと言って、このままでは、私がいつまでも新しいポジションに集中する事が出来ない事を訴え、再度アシスタントをつけてもらえる事になった。
年の頃は多分、お嬢やハー坊と同じ位であろう、ちょっとビーバーを思い起こさせる感じの出っ歯が可愛い、ビーちゃんは、あれやこれや、お嬢が放置した仕事を様子見で与えて見た所、嫌がらずに端からきちんと片付けていってくれる。
よぉおおーーっし、いけそうだ! ハー坊がある程度独り立ちした今、オフィス切ってのお局女が、今度は君を後釜とし、しっかり育ててあげよう(だから、ニコちゃんの時のように突然いなくならないでぇ)!
さて、問題は、ビーちゃんの存在を知らない、お嬢が月曜から出社するであろう事である。
彼女は、自分ほど会社に有益な存在はいないので絶対にクビになんてならないはず、と、言う全く根拠のない自信と、でも最近の欠勤具合と遅刻は、少しやばいかしらと、言う心理の狭間にいるのだ。
長々と欠勤した後、彼女の知らないところで新しい人が雇われ“本来なら彼女のやるべき仕事”を黙々とやっている姿を見た時に、どんな反応を示すかが皆目わからないんである。
お代官は、お嬢には、きちんと説明をするから大丈夫だと言うが、大丈夫なわけがない。
お嬢は、まず時給になったと言う事実を、“自分の要求が認められた(残業して小銭稼いでも良い)=自分の能力が認められた”と見なしている気配があるのだ。 そのため、最近、何と言うか、新人2人と私をやたら自分の部下のように扱い始めている。 更に自分の言う事を聞かず、やたら新人2人をかばい彼女のやり方を否定する私を煙たがっている態度が前面に現れてるんである。 自分が見下している私に“だけ”(注1)前回同様アシスタントがついた、と、なると、彼女が黙っているわけはない。
決戦は月曜日。 一体オフィスで何が起きるのか、恐怖半分楽しみ半分で待ち構えている。
注1: 私が全面的に面倒を見ると言うだけの話で、別に、私だけのアシスタントではないのだ。 現に、やってもらっているのは、どちらかと言うとお嬢の放置した仕事が半分以上であって、そう言う意味では、お嬢のアシスタントと言えないでもないのだから。