もったいぶってしまいましたが、
私がなぜこの本を気に入っているかの理由を
ここで書いてみます。
それは、一言で言うと、
「読んでいて楽しいから」
です。
…それだけかよ!と言われそうですが、
でも、とても大切なことだと思うのです。
PC-6001シリーズといえば、
パソコン初心者の登竜門的なマシンでした。
特に、初代機とmkIIについては、
「初めてのパソコン」として購入した人が
かなりの割合を占めていたと思います。
そういう人が最初に買う本で、お約束なのが、
「BASIC入門」的な一冊でした。
現に、そういう本は山のように出ていました。
しかし…
実は、それらの本は、簡単そうに見えても、
初心者にとっては
意外とハードルが高かったのではないでしょうか。
少なくとも、
「積極的にプログラムを始めようという人」以外には、
読んでいて面白い本ではなかったと思います。
そんな中、「おしゃべりパソコン」は、
「PC-6001mkIIってのは、色々なことができて、面白いんだぜ!」
ということを伝えようとしていて、
しかもそれがしっかりと読者に伝わってくる一冊だと思います。
「BASIC入門」系の本で挫折した人でも、
「おしゃべりパソコン」なら楽しく読めますし、
それがきっかけで、
再びプログラミングに興味を持つ人もいたかもしれません。
…実は、私がその一人でした。
パソコンを買って数ヶ月、BASICを一通り覚えた私は
「次はいよいよマシン語だぜ!」と思って、
意気揚々とマシン語の入門書を買ってみました。
しかし…
全く意味が分かりませんでした。
メモリ?
レジスタ?
突然出てくる "LD" とか "INC" って何?
えっと…

挫折。
その入門書は、ほぼ新品状態で本棚行きになり、
マシン語を学ぼうとする意志もゼロになりました。
そんな私が、再びマシン語を学ぼうとしたきっかけが、
「おしゃべりパソコン」の最後に掲載されている
長編プログラムリストの一つ、
「アイスパニック」というゲームでした。

「アイスパニック」は、まあ、
ぶっちゃけ「ペンゴ」です。
完全なパクりゲーです。
今なら大問題かもしれません。
この「アイスパニック」を必死に打ち込んだのですが、
主人公がどこからどうみてもペンギンに見えず、
「このキャラクターの絵を変えてみたい」
と思ったのです。
すると、プログラムの解説ページに、
たまたま、キャラクターのドットパターンと、
16進表記が載っていました。
これこそが「おしゃべりパソコン」のすごいところです。

「01」とか「E0」とかがデータを表しているということは
なんとなく分かったのですが、
2進数も16進数も全く分からない私は、
どういう法則なのか分かりませんでした。
なぜ4ドットずつ区切られているのか?
なぜ左側と右側に違う値が書かれているのか?
意味が分からないまま、
とりあえず規則性を探そうと必死に頑張りました。
そして、一生懸命考えた挙句、導き出した結果が、

○●●●
↑
A
と自信満々に本に直接書き込んでますが、
正しくは「7」なので全然違いますw
さらに、ここに書かれたデータと同じ文字列を
プログラムリスト中から探して、
どこを書き換えたら絵が変わるのかを試行錯誤しました。

もちろん、適当に書き換えただけでは思い通りの絵など出ず、
しまっていたマシン語入門書を引っ張り出したりして、
2進数と16進数というものをなんとか理解したのでした。
今考えれば、ただ単に、
ビットマップを16進数に変換できるようになっただけなのですが、
当時の私にとっては、
「これでマシン語が分かった!」
と友人に言いふらすくらい、画期的なことでした。
これがきっかけで、
一気にマシン語が身近なものに感じられるようになり、
さらに私はP6にどっぷりとハマっていって、
結果として今の仕事に繋がることになるわけですが…
それはまたの機会に。
というわけで、長くなってしまいましたが、
「おしゃべりパソコン」は、
お気に入りの一冊であるだけでなく、
自分の人生にとってとても大切な一冊になったのでした。