やっと、渡せた鍵。
まだ慣れないこの部屋に居るきみが
なんだか不思議で、
静かに眺めていた。
ずっと待っていたのに、話したいこともたくさんあったのに。
上手に言葉を探せなくって
上手には伝えられないことがわかってしまって
こうしてそばに居られるなら
それでいいか、なんて
安易な心地良さに逃げてしまった。
抱き合うだけじゃ
気持ちは見えないけれど
抱き合えもしなければ
さみしさだって伝えられない。
ねえ
居心地の良いことは
寄り添って一緒に居られる未来へ繋がる感情なの?
だいすきなその笑顔が
まだ曇って視えないうちは
何処かで悲しく疑ってしまっていても
ちゃんと信じていようと思う、今。
狭いベッドがいい。
脚も伸ばせないお風呂がいい。
近く、近くに感じられるから。
信じろって言わないきみは
疑わないきみは
あたしの言動に任せると云う。
だからあたしは
その言葉を決して云わない。
一緒にいる。
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