『吠え』防止や『拾い食い』防止のために口輪をつけてお散歩している方がいらっしゃいますが、ピタッとしていて中で口が開けられないタイプのものは、見た目は可愛くても舌を出して体温調節ができないため、これからの季節熱中症になる危険性が高いです。
(多少開けられても舌が出せなければ体温の発散は困難になります)
ドッグランでの咬傷事故を避けるためや拾い食い防止のために口輪を使うのであれば、
見た目はいかつくても中で口が開けられ、舌が出せるこのタイプのものにしてください。
(吠え防止には効果はありません)
口輪は見た目が異様なので周りから「かわいそうだから取ってあげなよ!」などと、
言われやすくなかなか付けているのが飼い主さんにとっても精神的苦痛なのですが、
興奮し他の犬や人を咬む可能性がある個体などを、
どうしてもドッグランや散歩会に連れていく必要があるのであれば、付けておいたほうが無難です。
ただ、犬には人間のように暑い時に汗を流して体内の熱を発散するための汗腺がほとんどありませんので、走って体温が上がった場合、口を開けられない口輪を付けられていると真冬でも体内に熱がこもって体調を崩してしまうケースがあります。
(皮脂を出す皮脂線はありますが、汗が出る「エクリン汗腺」を身体全体に持つのはごく一部の犬種だけでその他の犬種は足の肉球などごく一部だけにしかありません)
飼い主の見栄や見た目にこだわったために、愛犬を危険な状況に陥らせることのないようにご注意ください。
(口輪の友)↑
タンタンも4ヶ月齢からドッグランに通い出して1歳になる頃、身体が大きくなってきた自分の力を試したくなる時期がきたらしく自分より小さくて弱そうな個体を見つけては絡み、相手が怒って吠えると歯を使うようになってきました。
私もそこでドッグランに連れていくのを中止すればよかったのですが、仲間と会うことが楽しくてタンタンに口輪を装着させて遊ばせるようになりました。
まぁ、結局口輪をつけても様々な問題が全て解決するわけではなく、
ドッグランに行っているのが自分のエゴなのではないかと感じて連れていくのをやめました😞
ただ、口輪をつける練習をして、つけていることがストレスではなくしておくと、
様々な危険を回避できるようになるので練習はしておいて損はないと思います。
そして、口輪をつける練習をする前にひとつやっておいて欲しい加工があります。
多くの犬が口輪の装着を嫌がるのは、口輪をされた後にブラシをされたり痛いことをされたりして良いことがないからです。
タンタンは口輪をつける練習をするときに、
ちょっと付けては「いやぁ〜めっちゃかわいいわ、タンタン!」とベタ褒めしてから外し、おやつを与えるを何十回もやって口輪をまるで可愛い衣装の一部のように思わせていたのでつけることに抵抗がなかったんですね。
さらに口輪を付けたらドッグランで遊べるという『好子』(こうし)があったので、
「早く付けてつけて!」といった具合でした。
でも、もっと明示的に口輪をつけるといいことがあったほうがいいですよね。
ところが口輪をつけるとおやつが与えられないんです😓
そこでうちでは口輪の前の部分をニッパーで切り取っておやつが与えられるようにしました。
最初は全部切り取ってしまったのですが、
そうするとグッと口を押し付けると舌が外に出せるので、お菓子のゴミなどがいっぱい落ちている公園などを歩かせるときには食べられてしまいます。
そこで2代目の口輪は真ん中の一本だけ残して両脇の部分をカットしてみました。
これで鼻を押し付けてもゴミは食べられませんが、おやつは与えられます👌
このように加工してから口輪を付けて「じょうずね〜!」と褒め、
『ちゅるびー』のような嗜好性の強いおやつを隙間から与えるを繰り返していれば、
口輪に対する不信感がなくなると思いますよ。
よく口輪の奥におやつを入れて付ける練習をすることを薦めているトレーナーさんがいますが、
それだと騙したような急な動きになってしまうので徐々に警戒されてしまいます。
まずは口輪をつける。
その行為に対して褒めておやつを与える。
この方が信頼感を失わないでいいと思いますよ。
ちなみにこの手の口が開けない口輪↓を『吠え』防止のために付ける飼い主さんがいますが、
口輪を『吠え』防止に使うのは私はよくないと思います。
吠えを口輪で抑止するには口が開けられなくする必要があるからです。
あくまで誤食防止、咬傷事故防止のために、
舌が出せるものを一時的に使うだけにしてください。