子犬の社会化に失敗するわけ | タンタンとパパの子犬の社会化ブログ

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生後3~12週齢(書かれている本によってバラバラです)

いわゆる社会化前期から中期と言われる時期は

子犬があまり警戒心を持たずに様々な事柄に興味を持ち、

ポジティブに受け止めやすい時期とされていて、

この時期にたくさんの経験をした個体は

後々情緒の安定した成犬に成長する可能性が高いと言われています。

にもかかわらず、多くの飼い主さんたちは、

「ワクチンがまだ効いていないので外に出してはいけない!」
「3回目のワクチンが終わるまでは他の犬と接触させてはいけない」などと言われ、
頑なにそれを守る為、この大切な時期を無為に過ごしてしまうのです…

獣医学的にみればそういうリスクはあるでしょう。


でもただ、抱っこして外をお散歩するだけなら何のウイルスが感染するのでしょう?

 

 

人間の16倍の速さで成長するこの時期の子犬にとって、

何の経験もせずに2日間自宅のサークルの中で過ごさせるということは

1ヶ月間監禁しているようなものです。
 

この時期がそれ以降の問題行動と

大きく結びついてくるというのに…




ですから、この期間はできるだけ抱っこしてお出かけし、様々な経験をさせてあげてください。

 

いろんなものを見せて聞かせて匂いを嗅がせてください...


仔犬に興味を持ってくれた人には匂いを嗅がせてもらい、

おやつを渡して与えてもらいます。


優しそうな老犬を見かけたら飼い主さんに声をかけて、

大丈夫そうなら挨拶をさせてもらいます。

小さな道路から始めて、少しづつ大通りに近づき、

自動車の音を聞きながらおやつを与えます。



バッグにも慣らしましょう!

スリングのようなバッグに入れて自転車に乗せたり、

短時間電車に乗る練習
人ごみの中を歩く練習、

慣れてきたら顔を出しておやつが食べられるように
安心させて行きます。

 

 

ただし、大切なのはすべての経験が『よい印象であること!』

犬との挨拶でワンワン吠えられたり、噛まれたりしてはいけません。


出会った人に前足を引っ張られたり痛い思いをさせられてはいけません。


大通りで轟音に晒されたり恐怖心を抱くような経験をさせてはいけません。


バッグやかごから落ちて痛い思いをさせてはいけません。

すべてはポジティブな印象として受け止められるようコントロールして経験させます。

 

 

 

望ましい子犬の社会化とは
ただ、様々な経験をさせることではなく、

様々な『よい印象を伴う』経験をさせることなのです…

 

 

 

 

経験させるべきことは山のようにあります。


チャイムが鳴ったので出て行ったら、優しい人がきておやつをくれた。


掃除機の音が遠くで聞こえている間、優しく撫でてもらえた。


猫の声が聞こえたらおやつがもらえた。


子供達が集まってきたけど、

飼い主さんがしっかり子供達をコントロールし
そっと撫でておやつがもらえた。


カミナリが鳴っている間ずっとボール遊びしてもらえた。

そして、同じくらいの週齢の仔犬同士で遊んでとっても楽しかった…

 

 

こういった経験をできるだけ毎日何種類も欠かさず続けることこそが、
成犬になった時の情緒を安定させ、他犬との社交的な交流を進め、
未知の物事や音に対する過剰反応を減らすことにつながるのです…

重ねて言いますが、いくら社会化期と言えども怖い経験はできる限り
させないでください。


いきなり週末のドッグランに連れて行って、

多くの成犬たちに囲まれて
吠えられたりいじめられたら、

それがトラウマになって

犬嫌いの犬になってしまうかもしれません。


逆に攻撃的な性格になって、

他の犬を見かける尻から喧嘩しかけるように
なってしまうかもしれません。

スパルタ教育などと言って怖い思いをさせることは、

決して仔犬にとって好ましいことではありません。

できるだけ毎日様々な経験を(一回だけでなく何度も)

ポジティブな印象を残してさせることこそが、

正しい仔犬の社会化なのです…

 

そして、この時期を逃してしまった方々も落胆することはありません。

社会化期に比べ時間はかかるでしょうが、社会化トレーニングは成犬になってからでも可能なのですから...