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真冬。




明け方。




誕生日。





家のドアノブ。





送り主不明のプレゼント。












今でも覚えてる、手紙がある。


手紙といえないかもしれない。
ポストカードにたった一言。




H.B.D




それを見て、私は泣いた。


゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚




あれはもう何年前のことだろう。



東京に出てきて、社会人になった時だったから5年前くらいなのかも。


季節は冬。

ワタシの誕生日。




その年の誕生日、私には彼氏がいなかった。


友達と一緒に「朝までクラブで騒ごう」と
寒い中出かけたけれど、平日だったこともあって
クラブの入りはまばら。



声をかけてきた男は、とある省庁のキャリアで
「まぁ良いか」と思ってカラオケに向かうも
途中で面倒になってバックレた。


女友達と二人で、アニメ縛りでカラオケをしまくる。

なんだか冴えない誕生日。
楽しいけれども。





ワタシがSと別れたのは、つい先日のこと。



Sとはワタシが東京に出てくる前からの付き合いだった。
彼は東京の人だったから、長距離とまではいかないけど
そんなにしょっちゅう会えるような距離感でもなかった。

「ワタシが一人暮らしをすれば
もっと一緒にいられるね」

なんて、そんなことも楽しみにして東京に出てきたのにー




実際には、引っ越し完了と
別れ話にそんなに時間はあいてなくて


あっという間に
思い描いていた東京生活は崩れ去った。








「じゃぁ、別れようよ」


言い出したのはワタシだったのに



「…そうするしか、ないのかな」



同意されてダメージを受けた。




別れた日、私たちはいつもと同じように手をつないでた。
楽しく遊んで、キスもした。
周りから見れば、仲の良いカップルだったと思う。




きっかけはいつだって、ちょっとしたこと。


だけど、言ってはいけない一言は…確かに存在するんだ。



別れの時、たくさん泣いた。

彼も泣いていた。


こんなに二人で泣くのなら、別れなくても良いじゃん。


とか頭をよぎった。


だけど、もう賽は投げられていて
一度出した言葉はなかったことには出来なくて
二人はもう、別れ話が出る前の二人には戻れない。


うすうすお互いの頭によぎっていた別れを

形にしてしまったのは私だ。


一度形を成して、二人で見つめてしまったものを
無視することはできなかったし、それを打ち砕くような根性も
想いも、その時にはもうなかったんだ。





あれから、口では強気なことばっかり言っているけれど
実際には落ち込んでいるワタシを気遣って、友人が外へ連れ出してくれるようになった。


今日も、そう。



本当に感謝してもしきれない。
友達の気持ちが本当にありがたい。


なのに、なんでなの?
このやりきれない、心にベタっと張り付いては離れない
この寂しさはなんでなの?





今日は、ワタシの誕生日。



Sは覚えていてくれるだろうか。



そんなことが頭をよぎると

じわっ

思わず涙腺がゆるむ。




けっきょく、朝までアニメソングを歌いまくった。
六本木のパセラを出て、冬独特の朝の澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込んだ。


朝まで遊んだのは正解だったな。


眠くて眠くて、何も考えなくても良い。
家に着いたらそっこー寝よう。



大江戸線に揺られながら、目を閉じる。





眠い目をこすって、家に着いた。










ドアノブに、手提げ袋が下がっている。





なんだろう。
ドキドキしながら、半ば何かを期待しながら
ワタシは手提げをもってあわてて家に入った。





小さな包みと


1枚のポストカード。





ポストカードには送り主の名前はなくて、
ただ一言


「H.B.D」






そのポストカードを見たとき、送り主が明確に分かって…


ワタシは泣いた。



それは


Sが好きだった画家のポストカード。



彼は、覚えていてくれたんだ。覚えていてくれたんだ。



寂しかった気持ちが、自分の涙で少しづつ溶けていくのを感じだ。






真冬。
明け方。
誕生日。
家のドアノブ。
送り主不明のプレゼント。



今でも覚えてる、手紙がある。
手紙といえないかもしれない。
ポストカードにたった一言。
H.B.D
それを見て、私は泣いた。





「くっさー」



笑いながら泣いた。



ちょっとキザなSらしかった。



H.B.D


Happy BirthDay


誕生日おめでとう、のメッセージ。




今でも、たまにこの話をネタにしちゃうこともあるけど
本当はとても嬉しかったよ。感動もしたよ。


覚えていてくれたこと。
夜中にわざわざ持ってきてくれたこと。


もうそれだけで、
ワタシにとってはラブレタ-だったよ。
ラブじゃないけど、嬉しかったよ。






そんな思い出話。





さて…


創作か?リアルか?☆-( ^-゚)v

はたまたその両方か?




どうなんでしょうね。それはご想像にお任せします♪