10月歌舞伎公演 その1

十月歌舞伎
国立劇場大劇場
2020年10月4日(日)~27日(火)

無事の千穐楽おめでとうございます

歌舞伎の灯を消してはならない
その為に、といってもよかった8月公演
9月はその尊いバトンを引き継ぎ
この10月、座元が違うといえ
歌舞伎界では歌舞伎座と国立劇場
異なる二座で同時に芝居があく
大きな前進のひと月でした
上演演目に色々な制限がある中
出来る範囲で工夫を凝らし
8,9月と歌舞伎座で王道古典
それを経てこそ次のステップへと
あえて今月は新作舞踊
幸四郎さんは順をおい
歌舞伎興行の元来の姿に
近づけようとされてるのか
幸四郎さんの言葉を借りれば
「再開は舞台の上だけ
お芝居を上演することだけに特化された
再開なので本当の再開はこれから」と

国立劇場は座席空間だけでなく
共有スペースがかなり広く開放的
なので幕間ありの1部2演目の実現
ソーシャルディスタンスな無料休憩所での飲食
売店、食事処、筋書、後援会番頭席
これらが再開していて
賑わいとは言わないけど
適度な緊張感を保ちつつ
本来の姿を垣間見て、なんだか
うれしく、懐かしく、
こういう部分も含めて
芝居見物のお楽しみなんだなと
あらためて感じます
席は最前なのに無駄に2階から
花道、客席を眺めてみたり(笑)

202010国立劇場大劇場.jpg

第一部一幕
◆ひらかな盛衰記
~ひらがなせいすいき
源太勘当 梶原館の場


梶原源太景季 梅 玉
腰元千鳥   扇 雀
局錦木    歌女之丞
梶原平次景高 幸四郎
母延寿    魁 春
(敬称略)

あまり掛からない演目ですが
源太といえば梅玉さん
ポスターを思い出した方もいるのでは

201802源太勘當-歌舞伎座

女性を表す言葉ですけど
清楚という言葉がぴったり
控え目で清潔感溢れる容貌
←こんなに薄桃色が似合う74歳て
そのうえ謙虚で慎ましく美しい身のこなし
梅玉さんの舞台上で醸す雰囲気は
そのまんまコレ
この鎌倉一の風流男、実は
梅玉さんよりも幸四郎さんで
先に拝見してたりします(汗)
もちろん梅玉さん仕込み、それが↓

源太勘当-御園座

2011年御園座(当時 染五郎)
美しいわねぇ(笑)また観たいな
今なら風情で魅せてくれるのでは

そんな非の打ちどころない兄持つ弟
とくれば仮病で兄の恋人に横恋慕
いかにして我が物にせしめるかと
悪知恵巡らせる幸四郎@平次
兄の失態(実は違うけど)を
鬼の首取ったが如く
意気揚々と母親に言いつける
出来る上品な兄、出来の悪い
粗野な弟パターンですけど(笑)
幸四郎さん平次は根っから悪人というより
きっと褒められる出来る兄貴が
羨ましく、その裏返しで
拗ねた態度になっちゃうんじゃ
と思わせるところもあり、
どことなく憎めない愛嬌を持つ
次男坊気質全開(笑)の平次景高でした
母親に咎められる場面では
口がだんだん への字で(笑)ね
源太の清楚なお衣裳に対して
平次の野蛮とは言いませんけど(笑)
ド派手な橙色衣裳がお気に入り
袴には昇龍だかが何匹もデデーン
何だかヤンチャ感が出てて
歌舞伎のお衣裳って面白いね
演劇界さん掲載してくれないかな
↓これは違う方の衣裳

202010源太勘当.jpg

幸四郎さん平次は初役で
どなたに教わればよいかと
梅玉さんに聞かれたそうですが
(御園座での源太が良かったので)
芝居の雰囲気は心得ているのだから
自分で研究しては、と
という事で造形はご自身です

202010国立劇場フライヤー1
202010国立劇場フライヤー2