ご無沙汰しています
師走です、だからではなく
すでに先月から仕事忙しく突っ走ってて
放置状態、ゆえ先月の積み残しを
今更ですがお付き合い下さいませ
とその前にインスタまた不具合でUPできず~(泣)
とお知らせしときます


11月25日 歌舞伎座
吉例顔見世大歌舞伎
無事の千穐楽
おめでとうございます

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親獅子、仔獅子
一糸乱れぬ、とは正にこのこと

親の愛情に応える如く
寄り添い、戯れ、駆け上がる
寄り添い、戯れ、突き放す
仔の成長に歓び舞う

楽日の連獅子、なんだろうなぁ
始まる前から客席には
思いっきり期待してるよ感が溢れてた(笑)
リピーター多かった?いえ、噂が噂を呼び、
初見な方々も期待値大きかったんだろな
それらを裏切ることなく、それに応えるべく
それ以上のものをみ魅せて下さった
語彙力なくて申し訳ないけれど(笑)
ただただ凄かった、ほんと素晴らしかった

親子共々、こんなに美しく
清廉な狂言師、そうそう いないですよ(笑)
これも今の高麗屋ならでは、だと
狂言師姿での舞は、踊りを競い合うパート
今はまだ断然、右近の勝利(笑)←当たり前ですっ
いつの日か追いつき追い越せ、で
親子でさらに高みを目指し
とんでもない連獅子(←良い意味でね)に
なっていくんだなぁ、と

幸四郎さんが毛振り終盤
脚をスッと斜め後ろに引く
(この瞬間が私はなぜかスゴく好きなのですが)
と同時にスイッチが入るのだけど
千穐楽のそれは少し違った
スイッチが入るのは入ったけれど
いつもみたいに容赦なしに(笑)
仔獅子を置いてきぼりにしない
(幸四郎さんにすればハイスピードではなく)
染くんがついてこれるギリギリを保ってる
大きく、ダイナミックに
それでいてどこか優しい
まーるく弧を描くことによって
仔獅子を、歌舞伎座という空間を、
丸ごと包むが如くの幸四郎さんの毛振り
どのくらい続いただろ
普通、親獅子が止めるまで続くのですが
千穐楽なのもあってか、明らかにいつもより長い
まるでその『時間(とき) 』を楽しんでるように
ぴったりとシンクロしたままの親獅子と仔獅子
ジャレあうようにも見えます
さらにそこへ観客をも同調させてしまうという
(割れんばかりの拍手を聴きながら)
このまま続けばいいのに
そう思えるとても心地よい時間でした

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グッときてウルウルする方が多いようですが
私は幸四郎さん染五郎くんの連獅子を拝見すると
二人をみてると、嬉しさ?で笑みが零れてきちゃう
自分でわかるくらいにね(笑)
南座の時もそうだったのですけど
晴れやかな清々しい気持ちで心が満たされ
スゴく幸せな気持ちになるからなのかもしれません

幸四郎さんの染五郎時代の仔獅子は
何度も観てるけど、もちろんその時も
白鸚さんの幸四郎時代の親獅子で
リアル親子連獅子なんだけれど
前髪に何の違和感もなく仔獅子最年長な域で
仔獅子を演じ続けてた幸四郎(当時染五郎)さんは
もちろん素敵で、舞も毛振りも親には負けない
けれど、年齢的にはすでに仔獅子は大人なわけです
それに対して、今の年齢での
幸四郎さん、染くんの超リアル親子連獅子
が拝見できるのは今だけ、のもので
とても素敵なことに立ち会えてるんだなと
ほんとに素晴らしい連獅子に、ありがとうと
染くんの負けまい!との必死感さえも、
今ここでは、ほどよい芝居の味付けに感じます
次の数年後、いつかはわからないけれど
進化する親獅子、仔獅子、を楽しみに待ちたいな

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連獅子のことばっか書いたけれど
研辰、千穐楽のお遊び、
少しだけどあったのですよ(笑)
出番はまだなのに予期せぬ場で
背後霊のように幸四郎さん@辰治の後ろに立ち
待ってるからちゃんと演ってねと言う
鴈治郎さん@僧良観とか

駕籠かきにお代を払う時、
通常一人に支払うのですが、楽日は
もう一方にお財布ごとあげちゃた!
太っ腹な彦三郎さん@九市郎とか(笑)
貰った方も一瞬怯んでたよ(笑)
千穐楽だから(いつもより)『凄く』早く立て!と
辰次に突っ込む亀蔵@才次郎さんとかね
自由な幸四郎さんに振り回されたお二人様
25日間、お疲れさまでした(笑)
このお二方が、かっちりした芝居を
すればするほど、辰次との対比を生み
芝居が面白くなる(笑えるという意味だけではない)

町人根性丸出しおべっか三昧の
幸四郎さんのにわか侍辰次は
自由、だけど決して下品にならない
その境目をすごく分かってらして
あちらと こちらを自在に行き来します
辰次の往生際の悪さは誰もが持つ
生に対する執着と死に対する恐怖
『犬でございます、そう私、犬なんです・・・』
という辰次の台詞でわたしの涙腺崩壊
滑稽であればあるほど
平井兄弟が敵討ちに悩めば悩むほど
一瞬にして散ることになる命の儚さと
敵討ちの虚しさが綯い交ぜに込み上げてくる
そんなこんなで、すっきり終われる
演目ではないですけれどね(汗)

あれこれ書いてる内に、
もう午前零時をとっくに過ぎ
本日12月4日・国立劇場
令和元年12月歌舞伎公演
近江源氏先陣館/蝙蝠の安さん
が初日を迎えます
おめでとうございます

幸四郎さんに於かれましては
盛綱陣屋で ご注進信楽太郎
蝙蝠の安さんではタイトルロールの安さんをお勤めです

やはり注目すべきは蝙蝠の安さん
チャップリンの街の灯を題材にした
幸四郎さんが惚れ込んで奔走続け
やっと上演に漕ぎ着けた世話物
それがチャップリン生誕130年の年に叶う
ご命日12月25日は奇しくも上演期間中
という数々の奇跡を味方につけて
きっと温かで素敵な時間を
紡ぎだして下さるはずです
Chaplin KABUKI NIGHTと銘打った
19時からの公演も数日ございます
ぜひ、蝙蝠の安さんに会いに
国立劇場に足をお運び下さいませ

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