予祝~よしゅく
市川染五郎
受け継ぐことと創ること
この中で語られた言葉です
染五郎さんご自身の言葉ではありません
染五郎さん含む、この場にいたほぼ全ての人が
納得し、その言葉そのものに、
それを教えて下さった一人の年配?男性に、
自然と拍手がおきたのだと思います
ここで(トークを)させて頂いた
(それを知ることが出来て)甲斐があります、
と染五郎さんを唸らせました
襲名が決まって
襲名おめでとうございます
とよく言われます
でも、おめでとうって何なのか
そう、染五郎さんは聴講に参加した
講堂の私達に問いました
幸四郎を継ぐ、というのは
その家の責任者になることだけど
なにがどうおめでたいのかと
←でもこれらは
決してマイナス思考を含む
言葉ではありませんこと
ご承知おきください
幸四郎にならないと
この芝居は出来ない、というのはありません
染五郎だから出来ない、という役もありません
でも、その家(高麗屋)の責任者になり
責任を持つということ
家に代々受け継がれてきたものを
体現する、出来るようになりたい
逆にそれらを
今の空気を吸ったものに変えることができる
それは自分のやりたいことの1つでもあったと
※余談ですが当代猿之助さんは
襲名するまでは
先代猿之助さんのされてきたことに
一切、手を加えていません、
けど、襲名してからのものは
手を加えていないものは1つとしてない
それは彼の明確な考えだと
染五郎さんはおっしゃいました
ちなみに染五郎さんって
トークや染パなどお話をされる時
あまり他の同年代の役者さんのことは
出されません(と私は感じてる)
でも、猿之助さんは出てくるんだな
予祝に戻ります
神道では予祝という考え(行事)があるそうで
本来の意味は、1年の豊作を前以て
2月の段階で、豊作だよ、おめでとう、
って、予め(あらかじめ)お祝いすること
それになぞらえて
染五郎さんが十代目を襲名した時には
代々に渡って培われてきたのものを
進化させたい、というより
進化させたよ、おめでとう
と予めお祝いをする
夢を語った段階で、実現したんだから
おめでとうございます
幸四郎になった時には
素晴らしい芸をご披露なさるのでは
ないでしょうか
と男性は締め括られました
こんな感じだったと思います
文字にしてしまうとニュアンスが
崩れて違うように聞こえてしまう、
かもですが、
とても良いお話でしたので
紹介させて頂きたくて・・・
うまく言えないけど
わたし自身も、なんだかこの言葉で
染五郎さんが十代目幸四郎を継ぐ
そのことへ心を備えるというか
まずはこれから一年かけて
そういう風に、
染五郎さんと同じように前に歩めたらと
予めお祝いすることで
そういう道が拓けていく
そういうことでもあるのでしょうね
予祝・・・
とても素敵な言葉です
ありがとうございました

その他トーク内容は
まぁツイに沢山上がってるので
そちらでどうぞ(笑)
知ってることもあれば、
え?そうだったのってことも
生まれてから現在に至るまでや
襲名のこと、これからのこと、
たくさん、たくさん、
染五郎さんのユーモアを挟みながら
楽しく可笑しく1時間半ビッチリ
しゃべり倒して下さいました(笑)
最初はエンジン掛かってなかった?けど
時間が経てば経つほど、にね(笑)
相変わらずプロジェクターの扱いが
下手なのはご愛敬(笑)
あっ、もう1つだけ
とても心に残ったお話
35年前の三代同時襲名での
おじいさま白鸚さんとのエピソード
会期途中で白鸚さんが体調を崩し
襲名披露演目である
仮名手本忠臣蔵七段目が
芝居を短くしての上演を余儀なくされ
それによって、
白鸚さん@由良之助と染五郎さん@力弥
の一緒の場面がなくなってしまったそう
(←染五郎さんの出番が無くなった)
おじいさまの家にお見舞いにいくと
ごめんな・・・
ただ心配でお家にいっただけなのに
そう白鸚さんに謝られびっくりしたと
その半月後に他界
祖父と話すとか、遊ぶとか
そういうことはなかったので
(その時はあまりわからなかったけど)
今になって、
何かのメッセージだったのかも
まさに命懸けで名を継いだ、と
このお話を染五郎さんの口から直接聞けて
なんかジーンと目頭が熱くなりました

襲名から37年かけて
七代目染五郎に・・・
そして
十代目幸四郎へ
講演の最後、降壇される直前
スクリーンに映し出されていた
ご自分の写真をわざわざ
あかんべーをする
小さい頃の照薫少年、に替える
そんな七代目染五郎さんが、
十代目幸四郎さんが
私は大好きです

あと小1時間で、染パ!!!
山種美術館開館50周年記念
「日本画の教科書 京都編
―栖鳳、松園から竹喬、平八郎へ」展関連イベント
市川染五郎 受け継ぐことと創ること
【日程】2016年12月17日(土)
【時間】14:00-15:30
【場所】國學院大學
学術メディアセンター(AMC)
常磐松ホール