連休明けて平常運転?の一週間いかがお過ごしでしたか
1月国立新春公演も 本日が中日ではありますが
やっぱり これは書かなきゃ前に進めないってことで
(楽の日に簡単には書きましたが)
ちょいと遡り書き散らし~


◆七世松本幸四郎襲名百年
日生劇場十二月歌舞伎公演

 2011年12月7日(水)~25日(日)


【昼の部】
(1:35)
●碁盤忠信 ~ごばんただのぶ

佐藤忠信 / 染五郎
横川覚範 / 海老蔵

源義経 / 亀三郎
静御前 / 春 猿
塩梅よしのお勘
 実は呉羽の内侍 / 笑三郎
番場の忠太 / 猿 弥
小柴入道浄雲 / 錦 吾
忠信女房小車の霊 / 高麗蔵


  → あらすじ等はコチラ

七世襲名以来 百年ぶりの復活
この世の中でナマで観た人はいません(当たり前)
少ない資料でのほとんど新作同様の作業は
“荒事”ゆえ かなり大変だったかと思います
がそこはそれ 大立ち廻り・筋隈対決
押し戻しなど・・・“ザ歌舞伎”オンパレード
忠信といえば歌舞伎でよく知るところでは
大概“狐”ですが今回は
“人間忠信”を魅せて下さいました

はっきり言って荒事を拝見する機会は
(染五郎さん自身にあまりご縁がないので)決して多くはありません
なのでファンとしては染五郎さんで荒事!
赤い筋隈だったり車輪の輻みたいな鬘(車鬢)だったり
それだけで結構テンション高くなるものです

見せ場の立ち廻りでは凛々しくカッコいい忠信に
文句なくワクワク 楽しかった!
のですが全編にわたり何気にいたるところで
可愛いぃ!と感じ 実は萌え萌え~(笑)だったのは私です

小柴入道にお酒を振る舞われる場面なんて
何んて美味しそうに飲み干すんでしょう(笑)
酔ったご機嫌さんな姿には
思わず一緒にとくとく飲みたくなり
その仕草になんだか○慶を想像しちゃったりも

盃に顔を埋めお酒を飲む お顔が動くたび
この髪型が(正確には髪ではなく白い紙(力紙)の方ね)
ぴょんぴょん びよよ~ん と一緒に跳ねて可愛いんだなコレ(笑)

ほろ酔い気分のまま踊る 吉野山めぐり
酔いも伴い とってもチャーミングで楽しく大好き!な踊りです

 ティンク の 覚え書き-201112日生

罠とも知らず気持ちよさ気に酔っ払い
“やっとことっちゃうんとこな で碁盤枕に居眠っちゃうのは
何とも可愛らしく(←えっ違う(笑)?)カタチが決まります
わたし的になぜかココがツボで好きなんです~
・・・でもこの姿勢やってるご本人は結構キツイよね(汗)


宙に浮く碁笥の蓋が上手く開かず
片方の碁石が散らばらなかった日があったりはご愛敬
瞬時に現わる巨大白黒碁石
ご自身提案の中から採用されたもの
ビックカメラで調達という実はカメラの折畳みレフ板だったり(笑)
という工夫も満載

碁石を節分豆に見立てての鬼は外~!
“今日お集まりの皆皆様の御厄は見事お祓い申しました
来たる新年無病息災 極まってござります~”

は邪気も払って頂き満足満足~

一部新聞評などでも
正義が邪(怨霊や妖怪)を抑えこみ舞台に押し戻すのが本来で
逆じゃないかと話題になった今回の押し戻し
覚範は忠信の敵ではあるけれど邪というのとは
ちょっと違う気がするので今回のようなのも無くは無く
・・・みたいなことをおっしゃってました
染五郎さんそこはわかってされたそうです(染パより)


最初に拝見した時 意外だったのは
思っていたより碁盤が小さかったこと
碁盤をかざしての大立ち廻りとのことだったので
実は“毛抜き”みたいに とんでもなく大きい!
と思っていたのは私の勝手
でもやっぱり桜の枝を圧し折る位なスーパーマン忠信ですから
笑いが漏れるくらい碁盤がデカくてもいいかなぁなんてね

忠信と花四天とのフォーメーションは階上からの眺めが最高!
それぞれ3家のお家の紋が次々繰り出されると
そのたび 客席は湧きたちます
このフォーメーション華やかでかっこいい~

逆に1階では
立ち廻りの力強さや忠信さまの勇ましさを間近で体感!
桜満開 の元 バッタバッタと敵を討ちのめし
数々の見得切る視線を勝手に独り占め(笑)
という最高のシチュエーションを存分に味わえました

あの名乗りつらねもカッコ良かったですよね
(- 前略というより前失念 -)
ひと泡吹いた平家蟹
どんな相手もアマクチナ サトウショウジノ・・?
四郎兵衛忠信という判官・・?
家に所縁の狂言をただ今ご披露つかまつるは
名も高麗まで知れ渡る
かくもこの家を受け継ぐ気丈者
昇る朝日に紅隈を ツラに写して
そ~め~ ごろぉ~ 

けど観るたび書き足しても これで精一杯sweat*
誰か前後・穴埋め訂正求む~(笑)


今回 碁盤忠信を拝見し
これからの染五郎さんにとって
財産となるものになったらいいな
なったのではないかなと
ぜひ再演の機会を心待ちに
そしてその時は 碁盤が巨大化!してる?のを夢見て



(1:25)
●新古演劇十種の内 茨木

伯母真柴
実は茨木童子/ 松 緑
渡辺源次綱 / 海老蔵

家臣宇源太 / 亀 寿
太刀持音若 / 梅 丸
士卒仙藤 / 亀三郎
士卒軍藤 / 市 蔵
士卒運藤 / 高麗蔵


話は知ってましたが実は今回が観るのはたぶん初めて
でもこれ結構好きです~ だって
甥ん家に勝手にやって来て会ってくれないとわかると
玄関先で勝手に嘆いて責めて拗ねて
帰る素振りをして まんまと家に入れて貰い
挙句の果て本性現し腕取り返してほくそ笑むという
茨木童子的にはとってもハッピーエンドなお話(笑)
(←えっ違う(笑)?)
なんかハチャメチャな展開のようでそうでもないようで
・・・といいながら若干寝落ちしそうになった事も(笑)

決して体格が小さくはないだろう?松緑さん
肩の落とし具合とか所作においてとか更に発する声とか
最初の出から実におばあさん(伯母)ですわ~(笑)
これ誉めてます まあ甥に対する母性とか
そういうのはまだそんなに感じはしなかったですけれど
初役ということですし尾上の家 所縁の演目でもあるそうなので
これからも繰り返し重ねていかれるでしょうね
いや~松緑さんこういうのなら女形もOKですか?な
彼に関してちょっと目からウロコなお役でした

えびさんについてはここでまとめて率直に書きます
姿はいいんです声自体もいいと思うんです
よくも悪くも破壊力もあります
今回に限らずどの演目でも あまりに誇張しすぎな行為が
逆に興ざめを呼ぶんだなぁとあらためて感じました
自分だけの世界に入って周りの芝居が見えてない?のか
ひとりどこかへ そしてそういう時は必ず
彼は何を話してるんだ?的になる傾向が・・・?
少なくとも渡辺綱は台詞わかりましたし
そんなにとんでもない方向へ行ってはなかったような
彼は今公演では綱が一番だったのではないかしら?


・・・十二月日生歌舞伎公演 其の二へ

※コメント頂ける方は其の二へまとめてお願いいたします