・・・続きです

(1:20)
●梶原平三誉石切
 ~鶴ヶ岡八幡社頭の場

梶原平三景時 / 吉右衛門
梢 / 芝 雀
俣野景久 / 歌 昇
飛脚早助 / 錦之助
六郎太夫 / 歌 六
大庭景親 / 段四郎


石切梶原 これもう最高~!
今月の中でいち押し
この演目 何度となく拝見してますが
これ以上のものはないんじゃないかと

吉右衛門さんの梶原
なんと安定したお芝居なんでしょう
久々に叔父様の真骨頂を拝見した気がしました
←何気に失礼?かもですが
やっぱり叔父様は新歌舞伎(何月の事(笑)?)より時代物!
大きくて優しくて・・・

刀の目利きをする姿の凛々しくカッコ良いこと!
目利きに備えて刀の柄に紐を巻いてゆく
刀の扱い一連の所作は流れるように美しく
何気なくやっているように見えるところですが
(←何気なく見せるのはとても難しいと思う)
結構好きなところでして
その手元を姿を ガン見しておりました(笑)
美しいだけでなくなぜだか程良い緊張感も
神聖なる刀を扱っているというのが伝わってくるのかな

知性と教養があって
エグゼクティブな雰囲気を匂わせながらも
直接的ではないけれど
ときおり見せる六郎太夫親子への優しさや
お茶目さも たまりませんね~(笑)
全て俺に任せとけと言わんばかりの受け止めよう
頼もし過ぎる~

演じる役者さんによって違いますが
手水鉢真っ二つの場は播磨屋型は後ろ向き
それと今回「役者も役者」の大向うはなかったですね
というかそれを挟む余地(台詞の間)を
与えてなかったという方が正解かな
あの大向うは邪道とも言われますが
あればあるで楽しいのですけれど
きちんとキマれば~ですが

そしてそして 梢な芝雀さん
楚々としてとっても可愛いの
持たれてるお優しい雰囲気のせいもあるでしょうが
芝雀さんだと親を思う気持ちも人一倍!
そして歌六さんの六郎太夫とは
親子以外の何ものでもない(笑)もう息もピッタリ!
この芝&六コンビの親子ってスゴク好き
沼津の平作・お米とかね

鉄壁キャストな上
お話がハッピーエンドとくれば
もうこれ観てこの世の幸せ(笑)!

3階から観た時 どうも吉右衛門さんが
染五郎さんに見える瞬間が何度か
横顔ではなく正面顔を上からナナメに見下ろすと~ですが
もちろんこれはオペラグラスなしの時ですけどね
あっ言っておきますが
これ願望が生み出した妄想じゃないですから~(笑)

ということで あぁ~やっぱり観たかった
夏巡業(中止)での染@梶原!


 ティンク の 覚え書き-201106演舞場絵看板3


(0:52)
●連獅子

狂言師右近
後に親獅子の精 / 仁左衛門
狂言師左近
後に仔獅子の精 / 千之助


ひと言で言うと
今回の連獅子を観てると
毛振りの回数なんて
もう どうでもいいわ~!
たとえ毛振りが二人揃わなくとも
そんなこと気にならな~い!って感じです(←私がね)

そんなことより
もっとこう・・・なんていうんでしょ
(言い方は乱暴かもですが)
もちろん一糸乱れぬ毛振りや
大丈夫か?ってほど がんがん振るものにも
それはそれで すっごぉ~という驚嘆はありますが
今回のは明らかに違って
でもこの点では流派が違うのはあまり関係ないと思うけれど
物語られている感じ?特に親獅子側から

仁左衛門さんの親獅子の谷底に向ける眼差しは
どんなことしてでもあがってこいという
突き放しての気持ちの部分と 相反して
心配そうに様子を伺う優しい目がとても印象的で
おふたりの間に・・・爺孫もとい
親仔のやりとり 愛情が絵にかいて見える連獅子だったかと

仔獅子の千之助クン すごく頑張ってました
元気ありあまってる(笑)
大体が仔獅子は青年役者で観ることが多く
今回は年齢的なものもあるかもですが
躍動感ではまさに リアル仔獅子

仁左@親獅子は勿論同じようにはいかないけれど
勇壮でとても見目麗しい壮年の獅子
私としては決して老年とは言いたくない(笑)
という事で ヤバいカッコ良すぎる~  
と思わず買ってしまった舞台写真

 ティンク の 覚え書き-201106演舞場獅子

間狂言は流派違いで何か違うのかしら?
錦・愛おふたりともお優しい顔つき所以か
今まで観てきたものよりスッキリといというか
自然にこぼれる滑稽味がちょっと薄かったように感じます

それにしても周りのお客様
みなさん勝手に親戚のおばちゃま状態(笑)?
特にご贔屓さんにはたまらないでしょうね
私でさえ お祭りではあんなに小っちゃい鳶だったのに
とか思い出しちゃいましたもの♪

祖父&孫連獅子 拝見出来てよかったです


        


先日6月27日
高麗屋一門の松本幸右衛門さんがお亡くなりになりました
優しい雰囲気をお持ちの方で
笑顔がとってもキュートなおじいちゃまという印象
金太郎(当時 齋)クン初お目見得の初日に
侠客春雨傘に出ておられ金太郎クンの頑張るぞ~!を
見守られていたのを今でも覚えています
ここ何年お目にかからないと思っておりましたが
残念でなりません ご冥福をお祈りいたします
・・・合掌


・・・六月大歌舞伎 夜の部へ 続く