俺「生存率1億分の1以下…か」 | tindrumのキモチ

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逆らえない衝動のおともに



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1 : ◆M7hSLIKnTI :2014/03/26(水) 12:29:11 ID:qQ8jI7Nw

俺「いずれ来るんだろうな」

友「ああ…最近、かなりサイクルが早いみたいだ」

俺「その時が来て欲しいような、まだ先でいいような」

友「ま、オレ達がどうこうできるハナシじゃないさ」

俺「…そうだな」



2 : ◆M7hSLIKnTI :2014/03/26(水) 12:29:57 ID:qQ8jI7Nw

モブA「おい、オレ達の小隊に集合命令が出てるぞ」

友「!!」

俺「まじかよ…今、話してたばかりだぜ」

モブB「オレ…やだよ、だって全滅が当たり前だって言うじゃねえか」

友「……そりゃ、オレだって怖いさ」

俺「でも、ここにこのままいたって一緒だ」




3 : ◆M7hSLIKnTI :2014/03/26(水) 12:30:38 ID:qQ8jI7Nw

モブA「そうだ…今はまだ若い精子、でもすぐに劣化していって……」

友「その内、老廃物……オレはその方が御免だ」

俺「友……」

友「俺、オレは征くぞ。なに…どんなに狭き門だろうと、挑まなければ通れるわけがないんだ!」

モブA「友…その通りだ」

モブB「ごめん…オレ、覚悟するよ! お前達と同期でよかった!」

俺「よし──」

友「俺…?」

俺「──征こう、オレ達の死に場所へ」



4 : ◆M7hSLIKnTI :2014/03/26(水) 12:31:52 ID:qQ8jI7Nw

小隊長「総員! 整列っ!」

ビシィッ!

小隊長「…ご苦労、諸君。尻尾を休めて聞きたまえ」

男(いつもと雰囲気が違うな…普段なら『休め』なんて言わない)

小隊長「訓練の定時ではないこの時間に集合を呼びかけた…その時点で皆、察してはおろう」

小隊長「…つい先刻、前立腺(ジェネレーター)が初期拍動の兆候を見せたとの報告があった」



5 : ◆M7hSLIKnTI :2014/03/26(水) 12:32:53 ID:qQ8jI7Nw

隊員「おお…遂に…!」

ザワザワ…ザワザワ…

小隊長「騒ぐな! …なに、知らなかったわけではあるまい」

小隊長「何しろ、ここ最近の出撃サイクルは非常に早い」

小隊長「それは言うまでも無く、我々の主たる『男』が二十数年の童貞生活に終止符を打ったからだ」

モブC「お言葉ですが小隊長殿! 我が主『男』は以前より右手の活用に余念はありませんでした!」

ドッ!アハハハハ…
…ソウダ、ソウダ!ミギテハトモダチー!



6 : ◆M7hSLIKnTI :2014/03/26(水) 12:34:12 ID:qQ8jI7Nw

小隊長「…静まれ! ……だが、この期に及んでなお、下らん野次を飛ばせる貴様らを頼もしく思う」

小隊長「状況は以前とは違う」

小隊長「主たる『男』は現在、恐るべき頻度で恋仲であり脱童貞の相手でもある『幼馴染』との性交渉を行っておる」

小隊長「右手による演習訓練とはわけが違うのだ……解ろうな?」

俺(つまり、本当に卵子に突入できるチャンスもあるって事だ)

俺(……オレ達は無駄死にすると決まったわけじゃない)



7 : ◆M7hSLIKnTI :2014/03/26(水) 12:35:30 ID:qQ8jI7Nw

小隊長「その出撃サイクルの早さ故に、貴様らに充分な訓練を受けさせたとは言えん」

小隊長「正直、もっと…貴様らをしごきヌキたかった──」

ザワザワ…ショウタイチョー
…ナイテル…?

小隊長「──騒ぐなっ!」

小隊長「例え訓練が不足していようとも…! 貴様らがいかに若きヒヨッコであろうとも…!」

小隊長「貴様らはワシが誇る精鋭、一騎当千の兵と信じる!」

俺(小隊長…)ウルッ



8 : ◆M7hSLIKnTI :2014/03/26(水) 12:36:23 ID:qQ8jI7Nw

伝令兵「報告いたします! 前立腺の大規模拍動を確認! 間もなく分泌液が押し寄せますっ!」

小隊長「すでにこの竿(ふね)は作戦区域(膣内)に突入しているっ! 端部潤滑液(カウパーリキッド)の分泌量も上々だ!」

ドパッ!ザアアアアァァァッ!
ゴゴゴゴゴゴ…!

俺(あれがオレ達が乗る分泌液…! これだけ頻繁に排出しておいて、なんて量だ…!)

小隊長「挑むは…戦うは、まさに今ぞ! 奮え、勇士よ! 総員、出撃体勢っ!」

隊員「おおおおおおぉぉぉぉぉっ!!!!」

俺(いいだろう…分泌液は今、俺を飲み込み──)

俺(──精液に変わる──!)









Mew - Repeaterbeater





9 : ◆M7hSLIKnTI :2014/03/26(水) 12:37:04 ID:qQ8jI7Nw

──発射10秒前

波動砲充填20%──

俺「くっ…他の小隊よりも前に出なければっ!」

友「俺っ! こっちだ!」

俺「友…! どこだ、友っ!?」

ライバル「はっ! モタついてんじゃねえよ!」

俺「ライバル…! お前の小隊も出撃していたとはなっ!」

ライバル「俺よ、悪いが貴様が受精する事は無いぜ」

俺「ぬかせっ…!」



10 : ◆M7hSLIKnTI :2014/03/26(水) 12:38:06 ID:qQ8jI7Nw

──発射8秒前

波動砲充填50%──

俺「くそ…完全に友とはぐれちまった…!」

俺(かなり前にはきたが…)

俺(ライバルの姿も見えない…あいつの実力なら、先頭に近いところにいるはずだ──)

………


兄『──なあ、俺…重荷を背負わせて悪いが、いつか出撃したら…オレの分まで戦ってくれよな』

俺『な、何を言ってんだよ。…兄貴だって戦うために生まれてきたんだろ』

兄『ははっ…知ってるだろ? 産出される精子の数パーセントは不良品だ』

俺『兄貴…』

兄『不良品の精子は受精しても、うまく分裂できない……それを避けるために、早く死ぬ運命だ』

俺『兄貴は不良品なんかじゃ…!』

兄『いいんだよ、俺…。もう尻尾の先は老廃物化しようとさえしてる…自分の事は自分で解るさ──』



11 : ◆M7hSLIKnTI :2014/03/26(水) 12:39:05 ID:qQ8jI7Nw

──発射6秒前

波動砲充填70%──

俺(オレは…)

俺「負けるわけには、いかないんだ…!」ピチピチッ!

ライバル「くっ…こいつ! 食らいついて来やがるっ…!」

モブD「周囲の温度が変わってきたぞ!」

モブE「発射口に近いんだ…いよいよか」

俺(確かに、周りの壁が軟質化してきてる)

俺(おそらく亀頭部に達してるんだ…)

俺(あとは尿道との合流弁がいつ動作するか…!)



12 : ◆M7hSLIKnTI :2014/03/26(水) 12:40:55 ID:qQ8jI7Nw

──発射4秒前

波動砲充填90%──

俺(しまった…周りの密度が高すぎる…!)

俺(波動砲は最大で120%まで加圧される…このままじゃ、潰されちまう!)

俺(どこか隙間は…!?)キョロキョロ

俺(…あった! あそこへ逃げ込めば…!)ピチピチッ

ライバル「甘えんだよっ!」ババッ!

俺「ライバルッ! 貴様…!」

俺(くそ…先を越されるなんてっ!)

俺(でも、ライバルが悪いわけじゃない…みんな生き残るのに必死なんだ)

…ギュウウウウゥゥゥッ!

俺(く…そ……意識…が…)

俺(ここ…までか──)







Mew - The Seething Rain Weeps For You




13 : ◆M7hSLIKnTI :2014/03/26(水) 12:41:59 ID:qQ8jI7Nw

──発射2秒前

波動砲充填100%──

友「──俺っ!」ドンッ!

俺「うわっ…!?」ピチッ

俺(何が起こった…!? 幾分隙間があるところへ押し出されたが…)

──ハッ!

俺「……友っ!?」

友「くっ……」
ギュウウウゥゥゥゥッ!

俺(馬鹿な! 友が俺のいたところに…!)

友「……生きろ…俺…」

俺「友っ! 今行く…! くそっ、よけてくれっ! 友ぉっ!」ピチピチピチッ



14 : ◆M7hSLIKnTI :2014/03/26(水) 12:42:52 ID:qQ8jI7Nw

──発射1秒前

波動砲充填120%──

友「うわああああぁぁぁぁぁっ!!!」

モブ多数「ぎゃあああっ! つ…潰れるうううぅぅっ!!!」

──プチッ
プチプチプチッ!

──波動砲充填限界

生存者ハ耐衝撃体勢ヲトレ

繰返ス、生存者ハ──

俺「友おおおおおぉぉぉぉっ!!!!」

──波動砲

発   射   !!!









Mew - Am I Wry? No



15 : ◆M7hSLIKnTI :2014/03/26(水) 12:44:03 ID:qQ8jI7Nw

……………
………


俺(……ここは…どこだ)

俺(暖かい…まるで母の胎内のようだ)

俺(俺は…死んだのか…?)

俺(…友は……?)

俺「友…? ……友っ!?」パチッ

俺「………いない…」

俺「そうだ…ここは、膣内…俺は…友の、兄貴のためにも」

俺「ここで倒れるわけにはいかないんだっ!!!」



16 : ◆M7hSLIKnTI :2014/03/26(水) 12:44:42 ID:qQ8jI7Nw

モブF「ぎゃあああぁぁぁっ! なんだ…こいつらはああぁぁっ!?」

俺「!?」

モブF「うわあああぁぁぁぁ……! たす…け…て……」ジュウウウウゥゥゥゥ…

俺「なっ…!? 体が溶けて…!」

ライバル「ボーッとするな!  そいつに触れたら死ぬぞ!」

俺「ライバル! 生きていたのか!」

ライバル「くそっ…どうやら、主…『男』はオレ達を見限ったようだぜ」

俺「どういう事だ…?」

ライバル「お前にはアレが見えないのか」

俺「……!!」



17 : ◆M7hSLIKnTI :2014/03/26(水) 12:45:21 ID:qQ8jI7Nw

俺(何だ…あの壁はっ!)

俺(全方位を囲んで…オレ達の進撃を阻んでいる…!)

ライバル「聞いた事くらいはあるだろう…あれが『絶対防御壁(ゴム)』だ。…オレも見るのは初めてだがな」

俺「あれが…ゴム…」

モブG「ぎゃああああぁぁぁっ!」ジュウウウウゥゥゥッ

ライバル「そしてあのオレ達を溶かす物体は、ゴムに塗布された殺精子ゼリー!触れたら終わりだぞっ!」ピチピチッ

俺(何て事だ…! でも、それじゃいくら逃げても…!)

俺(くそっ! 『男』はただ快楽のためにオレ達を利用したってのか…)

俺(受精させる気も…!)

俺「……戦う事を許す気も無いってのかよぉっ!」



18 : ◆M7hSLIKnTI :2014/03/26(水) 12:46:14 ID:qQ8jI7Nw

──フワリ…

俺(…風? こんな閉ざされた空間で、どこから)

俺(でも間違いない、どこかから吹いてくる)

俺(風が吹くなら…どこかに出口があるはずだ…!)ピチピチッ

ライバル(アイツも気付いたようだな…)ピチピチッ

俺(どこだっ!? どこに出口が…!?)

──ヒュウウゥゥッ

俺「!!」

俺(あった…! 円形の穴が空いてる…!)

ライバル「ハハッ…! どうやら『男』がオレ達を見限っても『女神』は見捨てなかったようだな!」

俺「女神…?」

ライバル「あれは人為的に空けられた『針穴(トラップホール)』だよ…! 『幼馴染』の仕業だろうな!」







Mew - Comforting Sounds







19 : ◆M7hSLIKnTI :2014/03/26(水) 12:47:09 ID:qQ8jI7Nw

俺「くそっ…しかし殺精子ゼリーの布陣が濃い…これじゃあ近づけない!」

ライバル「チッ…情けねえ、ついて来い!」ピチピチッ

俺「なっ…よせ! ライバル! 死ぬ気かっ!」ピチピチッ

ライバル「殺精子ゼリー、心も持たぬ無機物の兵士よ…! 道を──」

俺「ライバルーーーッ!」

ライバル「──開けろおおおぉぉぉっ!!!」

グチャアッ!
バキッ!ドロッ!ジュウウウウゥゥゥ…



20 : ◆M7hSLIKnTI :2014/03/26(水) 12:48:04 ID:qQ8jI7Nw

ライバル「…早く…行けっ……このウスノロ…め…」ジュウウウゥゥ…

俺「なぜ…なぜだっ! ライバル!」

ライバル「ふんっ…勘違いする…な……オレは…さっき一度、ゼリーに触れて…いたんだ…」ジュウウウゥゥ…ブスンッ…ブスッ

俺「…そんな……」

ライバル「尻尾が…焼け落ちる前に…ここをクリアにでき…て…良かった…ぜ…」ボロッ…ボロボロッ…

俺「ライバルッ! 崩れ落ちて…!」

ライバル「さあ…早く……行けっ! オレの死を無駄にしないでくれ…! イクんだ…俺……頼…む──」サアアアァァァ…

俺「ライバルーーーッ!!!」



21 : ◆M7hSLIKnTI :2014/03/26(水) 12:48:38 ID:qQ8jI7Nw

俺「ライバル……」

俺「友……兄貴……」

俺「みんな……」

俺「オレは…必ず、受精してみせるっ!!!」

俺「例え主の意思がどうであろうとも……!」

俺「避妊なんか…許さないっ!」

俺「待ってろ…卵子…!」

──みんな、俺を

俺「うおおおおおぉぉぉぉっ!!!!」ピチピチッ

見守ってくれ──



22 : ◆M7hSLIKnTI :2014/03/26(水) 12:49:14 ID:qQ8jI7Nw

──この日の戦いは後に『壁越えの聖戦』と呼ばれ、永く歴史に刻まれる事となる

戦死者1億1284万8635名

任務達成者1名

後に明らかとなった破られし壁は『超うす12個入(小さめ用)』だった

無論、穴は人為的に穿けられたものであり、決して商品の質に問題は無い──



23 : ◆M7hSLIKnTI :2014/03/26(水) 12:49:46 ID:qQ8jI7Nw

──三ヵ月後

幼馴染「責任とってよね」

男「あい」



24 : ◆M7hSLIKnTI :2014/03/26(水) 12:50:56 ID:qQ8jI7Nw

【End】

過去作置場、よかったら覗いてやって下さい
http://garakutasyobunjo.blog.fc2.com/







Mew-Snow Brigade DMA










25 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/03/26(水) 12:59:31 ID:M1h4LZA6

静かな場所で読むんじゃなかった…



26 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/03/26(水) 13:26:29 ID:mZj4gA0o

>小さめ用
あっ…(察し)



27 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/03/26(水) 13:52:01 ID:IWYd.zDs

ウディ・アレンかなwwwwwwwwwww
Everything You Always Wanted to Know About Sex

これ読んでひっさびさに動画見てきたわwwwwwwwwww



31 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/03/26(水) 15:28:53 ID:PsLekaVk


感動した





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『日本の原発輸出、なぜ推進するの?』