「さやゆーり」


ゆーりちゃん目線



アカリンさんの前で泣いて
安心したのかいつの間にか
寝てたみたい



頭を撫でられる感覚が
あってそこで目が覚めた



『ごめんな、ゆーり』



聞き覚えのある声
明らかにアカリンさんの
声ではなかった



「んん〜、ん?彩ちゃん…」



『ごめん、起こしちゃったか』



「ううん、大丈夫
それより仕事は?」



『今日の午後はOFFやねん』



「あっそうなんだ…」



別れを切り出してから
スマホを触ってないから
どうなってるのか
よく分からなかった



結構気まずくて
沈黙が流れる



『なぁゆーりごめんな
ゆーりの優しさに甘えてたわ』



「そんなことない
私は彩さんの重荷になりたくないから」



『そんな事思ったことない
ゆーりといるだけで疲れとれるし
癒されるし、いいこと尽くしやねんで』



「……」



『だから別れるとか言わんといてグズッ
私ゆーりのこと離したくないねん
いろいろ直してくから、そばにいてほしい』



「彩さん…
これからも隣にいていいんですか?」



『もちろんや
むしろゆーりしかアカンねん』



"ギューっ"



『うぉっとゆーり危ないて///』



「もう離さないでください
次会ったらほんとに別れますニコッ」



『笑顔で怖いこと言うなハハッ』



これからはお互いの気持ち
伝えていかないといけないな
そう思った日だった



『ゆーり引っ越そうか
私たちの仕事場が近いとこで
一緒に暮らしていかん?』



かっこいいこと言ってるけど
なんか照れくさそうに
少し顔を赤くさせて言ってくれる
彩さんが愛おしく思えた



「引っ越します!
ずっと彩さんと一緒にいますニコッ」



『ゆーりっギュッ』



それから新しい部屋を探して
私が住んでたところと
彩さんが住んでたところを
解約して私たちの家は1つになった



『もうここしか帰るとこないからな』



「またなんかあったら
すぐ違う部屋探しますからね?ニッ」



『辞めてやハハッ』



自分の気持ちを押し殺すんじゃなくて
伝える事がいちばん大事ってことを
学ぶ機会になった気がする



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