「さやゆーり」


彩ちゃん目線



「彩〜ちゃん」



『ここは学校や、先生つけろゆーり』



「彩ちゃんだってゆーりって呼んでるし」



『あっ本当だ、太田さんやな』



この子は太田夢莉
私の6歳下の高校2年生の従姉妹



今年から私は新任として
この女子高に赴任した



『で、どうしたんや?
今授業中だよ?』



「暇やったからさっニコッ」



この少年のようにはにかむ
ゆーりの笑顔が私はすきだ



でも、今は教師と生徒
ちゃんとしないといけない



『太田さんサボりはいかんな
単位とれへんよ?』



「別にいいよ、彩ちゃんとおりたい」



毎回のように私が授業ない時間に
夢莉は私のところに来る



『今からでも授業行き?』



「とか言いながら、
毎回ここにいさせてくれるやん?」



『…っ』



本当のことだから何も言い返せない
なんやかんや毎回来てくれるのが
"嬉しい"私はダメな教師だ



"キーンコーンカーンコーン"



なんとか1日も終わり
帰る時間になった



《山本先生呑みに行きませんか?ニッ》



『すみません、用事あるんで』



毎日のように飲みに誘われて
面倒臭いし下心みえみえで気持ち悪い



私はその場から逃げるように
家に急いで帰る



"ガチャッ"



『ただいま!!!』



「おかえりっギュー
苦しいよ、彩ちゃん」



『ゆーり今日も疲れた』


「おつかれさまやな
お風呂はいってき?もう少しでご飯できるから」



『一緒に入ろ〜』



「帰ってくるとあの真面目さは
どこに行くんだか…ハァ」



私は夢莉と一緒に住んでる



夢莉の家から学校までが遠くて
今までひとり暮ししてた



けど私が赴任するって決まって
両親が一緒に暮らした方が安全って
今はふたりで暮らしている



私たちには好都合だった



だって付き合ってるから




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