「さやゆーり」



ゆーりちゃん目線



「やべスマホ保健室だ」



今まで忘れてたことに驚いた
いつもはスマホで時間潰してたのに
考え方事してると
時間ってあっという間にすぎるな


そう思いながら
誰にも会わないように
階段を急いで降りる


保健室の前まで来て
ドアを開けようとする


「開かない?」


鍵が閉まってる
でも不在の紙もかかってない
おかしいな


前に彩が教えてくれた
保健の用具室のドアの方に行くと
そっちは開いてた


机に彩がいなかったか
寝てるのかなって思って
ベットのカーテンを開ける


「彩スマホ忘れ…おいっ何してんねん!」


そこには谷川が
彩の上にまたがるよう
上の服に手をかけてた


「お前ふざけんな」


"バァーン"


《痛ってえなって太田かよチッ》


そう言って走って出ていった
自慢じゃないけど喧嘩は強い方だ
だからみんな逃げていく
そんなことはどうでもいい



「彩大丈夫か?とりあえず服着よ」



『グズッ…ありがとう』



こんなの怖いよな
もっと俺が早く来てれば



泣きながら震えてる
そんな彩を
不意に抱きしめてしまった


"ビクッ"


さっきので男に敏感になってるのに
抱きしめてビックリしてる


「あっごめん」


『大丈夫…』


抱きしめてた手を離した
ひとりにさせた方がいいかな
そう思って立ち上がって
出ていこうとした


『ゆーり行かないでグッ
ひとりにしないで』


そう言って手を掴まれた


「俺がいて大丈夫?」


『いて欲しいねん』


不謹慎かもしれんけど
可愛いと思った


彩の座ってる隣に行って
背中をさすってた


お昼休みが終わるチャイムがなった


『あっごめんな引き止めて
授業行って大丈夫やで?』


「もともとサボる予定だったからニコッ」


『そっか』


いつもなら授業出ろって言うけど
今は言われなかった
それほど怖くて
ひとりになりたくなかったんやな


「なぁ今日一緒に帰ろや送ったる」


『いいの?』


「いいねん!俺が送りたいから」


『一緒に帰るなんて何年ぶりやろなニコッ』


彩から笑顔が見えてよかった
ちょっとだけ安心した



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