先日のブログでも書いたように

今働いている塾は英検受検の高まりを受け、

新しく英検コースを開設し、

見切り発車で開講したのだ。

 

使っているテキストは小学生の学習速度を一切無視した

中途半端なものとなっており、

なかなか成績が上がらない生徒たちを前にして

私たち英語講師はストレスを感じている。

 

テキストをベースに小学生には楽しく英語を学んでもらうため、

毎週毎週かなりの時間をかけて準備をしているが

なんだかここにきてお手上げ状態になってきた。

 

小学生に英語の文法から教えるのは間違っているのではないか。

 

英語は状況によって使う単語が決まってくる言語だから

小学生たちの想像力を使うべきだ。

 

文法から教えようとすると

英語を教えることがどれだけ大変なのか

例を用いて説明しよう。

 

先日、助動詞canを教えた。

 

主語と動詞(もとの形)の間にcanを入れることで

「〜することができる」を表すというものだ。

この段階で基本的な動詞は覚えているので、

主語と動詞の間にcanを入れるのは練習をすればいい。

 

ただ、意味としてcanは能力、可能性だけではなく、

許可、依頼をする時にも使うので混乱しないように塾では

また別のレッスンでcanを取り上げている。

 

意味と同時に動詞のもとの形を使うことを

伝えるのだが、動詞のもとの形とは何かが理解されていない。

三単現のsを習ったはずだが、生徒たちはすでに動詞が変化することをすっかり忘れている。

 

そんな生徒たちに私は他の塾でも学校でも教えていない、

肯定文のcanと否定文のcan'tの発音をしっかりと伝えておきたい。

 

肯定文の時のcanはケンに近い発音で、

否定文の時、can'tはキャントゥとはっきり発音をする。

 

なぜこんな細かい発音を説明したいかというと、

例えば

I can hear you.

I can't hear you.

canをケンではなく、キャーンと発音してしまうと

ほとんどの場合、You can? or You can't?と聞き返されてしまうからだ。

Yes, I can.とcanで答えが終わる時は発音はキャーンだが、

文章の途中に入っているcanは否定文のcan'tと区別するために、

口をあまり開かないで言うケンだ。

とにかく発音は小学生のうちに定着させておいた方が

よいだろうという考えからだ。

(この肯定文のケンの発音ができる子は塾にはまだいない)

 

また、答え方も

主語がIの場合、You,Weなど、それぞれ説明する必要がある。

 

というのもCanを習ってからCan you hear me?と毎回リモート回線の確認がてら

生徒たちに聞くことにしている。

その時、一人一人がタブレットを持っているのであれば

答えはYes, I can hear you. だけど、

一つのスピーカーから私の声が聞こえてきているのであれば

Yes, we can hear you. となる。

 

いかがだろうか。話せるようになるには大変すぎるぞ〜。

ここまで小学生に説明する必要があるのか

思われるかもしれません。

 

先日、Can you hear me?と聞いた後にみんなが私の声が聞こえることを確認し、

準備ができているようなのでレッスンを始めていいか、Can we start?と聞いたところ、

ほぼ全員の答えがYes, I can.だったのだ。ガーンゲッソリ

 

応用の方法を教えてあげるのは

英語上達の重要なポイントの一つ。

 

また応用しなくていいところも教えなければならない。

What's the date?と毎回聞き、

月の後は何番目の日という言い方になることを教えると

November seventhと

みんな忠実に序数で答えてくれるのはいいのだが、

What time is it?って聞くと4時45分のことを

four forty-fifthと言ってしまう生徒が出現爆  笑

 

ついでに言うとin the afternoonと言ってほしいのだが、

どの小学生も午後はp.m.午前はa.m. で逃げる。

p.m.を覚えてくれただけでも嬉しいのだが。

 

ま、とにかく文法を先に教えていては小学生に限らず、

中学生も高校生も英語が話せるようになれない。

 

私は小学生たちに教えてわかってきたのは

今の塾のやり方では限界に到達するということ。

そして大きく見直さなければいけない時期が必ずくるということだ。

 

よくビジネスではアインシュタインが言ったフレーズが引用される。

The definition of insanity is doing the same thing over and over and expecting different results.

このことを忘れないようにしたい。