小学生に英語を教えているが、

自分のレッスンの組み立てをする前に

youtubeを参考にすることは多々ある。

 

特に難しい英文法を

カリスマと言われる英語講師達は

どう教えているのか。気になる。

何かヒントがあれば是非授業に取り入れたい。

 

一番初めにキーワードの検索をかけると、

その後はyoutubeのアルゴリズムによって

関連動画が次から次へと出てくる。

 

英語について語る日本人の動画は無限にあり、

自分の英語のレッスンの組み立てのアイデアを探すという目的が

どこかへ行ってしまい、

英語教育の問題点を指摘する動画を

立て続けに見て数時間が過ぎてしまうことがある。

小学生を教えている私にとって、

日本の英語教育は興味深い話題だ。

 

英語教育もテクノロジーの進化とともに進歩している。

昔は正しい発音が

収録されている教材も英語のコンテンツが少なかったし、

アプリもなかったので

1980年代や90年代で育った人たちより

デジタル世代の子達は海外に行かなくても

英語が話せるようになる可能性は広がり、

日本の英語レベルの向上が期待される。

政府も英語教育に力を入れており、

これまでの読む、書くに加え、話す、聞くスキルを強化していく

プログラムが加わった。

 

ただその一方で、子供達に教えていて気づいたのは

学校のテキストが子供達の学習度合いに合っておらず、

視点の置き方が大きくずれているために

英語の授業について来れない生徒が

もうすでに小学校の時点で出始めている。

 

小学生のうちは

なんとかやり過ごせるかもしれないが、

英語の基礎が全くできていないまま中学に行き、

そこで大きくつまずくことになるだろう。

 

このことに気づくきっかけになったのは

小学生の生徒さん達に行った英語学習に関連した

アンケート結果だ。

アンケートは先生に対する評価の他、

自由に意見を書いてもらっている。

 

その中で、

「カタカナで英語の発音を書いてくれる先生」を

高く評価している生徒さんがいた。

 

正直、私は英語の発音をカタカナで表記するのは

反対で、母音の発音の仕方やフォニックスを

教えていたが、どんどん英語のレッスンが進んでいく中で

フォニックスを教える時間はなくなっていき、

英語が読めないまま進むことに大きなストレスを

感じている子供達が一定数出てきてしまった。

 

これは一つの例に過ぎないが、

大人になってから

「英語の発音をカタカナ表記されてしまったから発音ができない。」

という意見を持つようになるが

現実問題として字が読めない子供達がどんどん増えていく状況を考えると

カタカナ表記も時には必要かもしれないと

残念にも思いはじめた。

 

また、英文法に関しても

現在進行形は〜が進行中、〜をしている途中という意味で使う他に、

I'm seeing the doctor tomorrow. のように

未来を表すことがあることも講師として

教えておきたい重要な要素だが、子供達にとっては

現在進行形を理解するだけでもういっぱいいっぱいの状態だ。

初めて英語に触れる生徒側にはあまり多くの情報を

伝えて混乱させない方が良い。

 

ところが大人になってから

「学校では教えてくれなかった」と

英語ができないことを

学校のせいにされてしまう事例が多い。

 

実際教えてみてわかったのは

子供はすぐに言語を覚えると言われているが、

それはそういう環境に置かれた場合であって、

驚くほど今使っているテキストでは

子供達は英語を覚えることができていない。

 

私の想像では、一年も経てば、

レッスンの半分くらいは英語で行えるかと思ったが、

一年だけでは小学生たちは英語が理解できないので

英語で授業を行なう先生は評判が悪い。

 

だから、youtubeで好き勝手に

こういう表現を学校で習ったけど

ネイティブは言わないとか、

日本人の発音が悪いとか言っているが、

議論すべきはそのレベルではないのだ。

ネィティブがどう表現しようが、

発音が悪いことは私は問題だとは

感じない。

ジャパニーズアクセントでいいから

自分の伝えたいことを伝える。

ここによりフォーカスをしてほしい。

それがまったくできないでいることが問題。

 

もっともっと掘り下げた根底にある英語教育問題を

現場目線で語ってくれるyoutube動画はないものかな〜。