WeWorkって聞いたことありますよね。

いや、聞いたことがあるどころか一時は

大変な社会的ブームを巻き起こしたような気がします。

 

シャレオツ〜なコワーキングスペースとコミュニティを

提供する会社として一躍有名になり、

あのソフトバンクの孫さんも会社のCEOのアダム・ニューマンに惚れ込み

多額の投資をしたあの会社です。

 

異業種とのネットワーキングの場として

社会に大きな変革が起きるのではないかと

みんなが大いに期待したのでありました。

 

ミレニアル達がWeWorkの理念やミッションに共感をし、

ITのスタートアップ企業に負けない勢いと盛り上がりでした。

 

ところが今はどうなったのでしょうか。

IPOに失敗し、孫さんからの信頼を裏切り、

アダム・ニューマンはCEOの座を追われ、

会社の人員整理するにも退職金を払う資金が底をつき、

赤字が膨らむばかりの会社となってしまいました。

 

そこにソフトバンクから救済の手が差し伸べられ、

現在好転させるべく取り組みが行われているようですが。

 

コロナ禍でコーワーキング、シェアードスペースの

コンセプトをどのように変えていくのか、

チャレンジは続くことでしょう。

 

WeWorkが勢いよくマーケットに浸透していき、

だんだんと崩れていく様子は新聞にも

取り上げられ、なんとなくご存知の方も多いと思いますが、

この度PodcastのFounderingという番組で

その栄枯盛衰の詳細が語られています。

 

アダム・ニューマンが何をヒントにWeWorkを創設したのか。

番組ではまず彼が少年時代を過ごしたイスラエルのKibbutzを

辿っていきます。

そこで彼がこれまで言ってきたことと

実際にあったこととのズレがいくつか指摘されます。

 

アダムは初対面で

「あなたの言うことは嘘だらけ。やることなすこと全てが嘘。」と

言われた女性と結婚します。

「僕は彼女に見透かされていた。」と当時語っていたそう。

私、個人の意見としてはWeWorkで起きたことは

これに集約していると思っています。

CEOのアダムの言っていることを嘘として受け入れるか、

情熱や信念として受け入れるかの違いなのです。

 

アダムは壮大なミッションを掲げます。

それが多くの若者を惹きつけ、

彼をカリスマのように崇め、

会社がカルト集団化していく局面がありました。

 

会社の給与は他より低いけど、

会社はより高いところを目指していると言われ、

社員は残業代も支払われないことに

不平不満も言わずに、

早朝から夜中までクタクタになりながら働き、

会社を成長させていきます。

 

「こんな大変な思いをした」という

共通した体験が社員同士の絆を強めていきます。

 

また、彼が社員に向けて言ってきたことが

自分に降りかかる予言になっていることも

なかなか興味深いところでもあります。

 

彼は他のスタートアップ企業は

お金を一旦手にし始めると規律を失い、浪費し始め、

そこから会社の衰退が始まるものだとしきりに

社員に警告しています。そしてWeWork社では

電気の消し忘れに到るまで、

経費は節減していかなければいけないと熱弁を

振るっていました。

ところがその2年後、

複数のベンチャキャピタリストや投資家から

資金を調達してお金が手に入ると

湯水のようにお金を

使い始めていったのです。

 

人間の弱さ、愚かさを思い知らされますね。

 

あれだけみんなが持ち上げていた

WeWorkの舞台裏で何が起きていたか、

この番組で知ることができます。

また、彼を止めようとした人が

いなかったわけではありません。

大きな勢力に立ち向かった時に

正しいことをやろうとする少数派に

必ずしも多くの味方がつくわけではないという怖さ。

考えさせられます。

 

BloombergのFounderingというPodcast番組。

必聴です。