~アメリカ~

新型コロナウィルスの重症化は平等ではない

根底にある貧困の差が浮き彫りに

 

アメリカで収集されたデータによると

ヒスパニックやアフリカ系アメリカ人(黒人)が

新型コロナウィルスで重症化しやすいのでは

ないかと結論づけられる。

 

州ごとで少しずつ人種別の

新型コロナの死亡者データが

リリースされ、それによると、

 

ミルウォーキー、シカゴ、ルイジアナにおいては

アフリカ系アメリカ人の人口比率は約30%に対して

新型コロナウィルスの死亡者は70%を占めている。

(source:abc news)

 

ちなみにアメリカ全体のアフリカ系アメリカ人の

人口の比率は13から14%。

 

ニューヨークではヒスパニック系の

死亡率も高い。

地域によってその数値は様々で

完全なデータが

手に入っているわけではないが、

今のところ米国においては

アフリカ系アメリカ人と

ヒスパニック系アメリカ人が重症化しやすい

のは明らかだ。

 

<原因>

遺伝子的な要素もあるかもしれないが

社会経済学的な問題が引き起こしている側面が

考えられる。

 

<貧困地域と病気の関係性>

アメリカの貧困地域の特徴。

空気が汚染している。

有害な産業廃棄場が近隣にある。

教育レベルが低い。

保健(食育)に対する意識が低い。

果物や野菜が近くのスーパーで売っていない。

犯罪率が高い。

治安が悪いため、外で運動をしない。

医療を容易に受けることができない。

密集している。

 

そして

歴史的背景からアメリカでは同じ所得レベルであっても

アフリカ系アメリカ人の方が

白人に比べて貧困地区に住んでいる比率が高い。

 

その結果アフリカ系アメリカ人は

白人より喘息で亡くなるケースが3倍多く、

肺がんになる確率が白人より50%高い。

白人より60%多く糖尿病にかかっており、

高血圧の人が多く、心不全になる確率が白人より高い。

社会の問題がそのまま健康に表れるのである。

 

このように

貧困地区で暮らしてきた人は

健康状態がよくなく、免疫が低下している。

 

また驚いたことに新型コロナは

中国特有のウィルスで

黒人に感染しないというデマを

信じていた人もいたという、

教育、情報格差問題も存在する。

 

貧困層の多くはブルーカラーワーカーで、

バスの運転手、スーパーの店員等

人との接触が多い職業である傾向。

 

生活があるため、コロナに感染するリスクを

知っていても仕事を一日も休めないくらいの

貧困に喘いでいる。

 

コロナウィルスに感染をしたとしても

軽症の段階で医療機関に行って

検査をする人も少ない恐れがある。

 

新型コロナウィルスが感染拡大する前、

アメリカでのインフルエンザによる死者数の多さが

コロナ以上なのになぜ注目されていないのか

問題になっていたが、死者数の多さを

引き起こしている背景はどちらも

共通性があるのかもしれない。

 

アメリカでの新型コロナ問題は

日本とはまた違う、根深い深刻な問題だ。