10月19日の診察では、
父の癌細胞の遺伝子変異の結果が出て、どの分子標的薬が投与可能か判明する予定であった。
また、PD-L1発現率から免疫チェックポイント阻害薬が適応されるかどうかも判明する予定であった。
結果として、遺伝子変異はKRASのG12Dに変異があり、
残念ながらこのタイプの肺腺癌に効く分子標的薬は現在のところ開発されていないという事であった。
(KRAS G12Cに関しては、阻害薬として米アムジェンがsotorasibを開発申請中)
難攻不落のKRAS遺伝子変異である。
父は若い頃から75歳くらいまでバリバリの喫煙者であった。
その父が「肺癌」だと医師から聞かされた時、
私はてっきり「小細胞癌」か「扁平上皮癌」だと予想していたので、
(へ~分からないもんだなあ。でも腺癌で良かった。何より薬剤の選択肢が多いじゃないか。)
と、ほっとしていたのだ。
なのに!
(KRAS G12Dの変異に効く分子標的薬が無い?)
(なんて事!腺癌であったメリットが無いじゃないか!)
と、目の前が真っ暗になった。
(いや、まだ、免疫チェックポイント阻害薬があるよ。どきどき・・)
それなのに、医師は
「免疫チェックポイント阻害薬が適応になるかどうか、
検査結果が出るのが遅れてしまい申し訳ありません。
明日(10月20日)の午前中には判明します。」
とおっしゃった。
更に「この結果が陰性となると、いわゆる抗癌剤で治療するしかありません。」
私の胃はもうずっと前からズーンと痛い。
更に明日まで待たないといけないのかと思うと、どっと疲れが出た。
この辺までは先日のブログに書いた通りです。
医師はその後、治験についての話もされました。
「TIGIT」という、開発中の免疫チェックポイント阻害薬です。
キイトルーダ+TIGITで治験を行うそうです。
但し、腎機能や肝機能が悪い患者は治験の対象者になりにくいと言われ、
少し腎臓の数値が悪い父は、
「なんとか・・・宜しくお願いします。」と。
TIGITについては、機会ができれば調べてみます。
さてさて、自宅に帰り色々ネットで調べていると、
「EGFR遺伝子変異は非喫煙者に多く、KRAS遺伝子変異は喫煙者に多い」
と書かれてある。
(ふ~ん、さすがに遺伝子変異は嘘つかないんだあ。生活習慣がモロに表れているよ。
腺癌は非喫煙者に多いと聞くので、父にはあてはまらなかったなあと思っていたら、
この通り。)
と、妙に納得しました。
更に、
「EGFR遺伝子変異を持つ患者よりも、KRAS遺伝子変異を持つ患者の方が、
免疫チェックポイント阻害薬が効く傾向がある」
というような事もネット上の論文等に書かれていた。
これは嬉しい情報。
あるいは、
「KRAS遺伝子変異のある患者はPD-L1発現率が高い」
・・・とも。
これも嬉しい。
理屈から言って、
「発現率が高い→免疫チェックポイント阻害薬の効果が高い」
となるのは当たり前のように思えますが、実際は必ずしもそうでは無いらしい。
発現率が高くてもあまり奏功しない例もあるとか。
何か別の因子が絡んでいるのだろうか?
逆に発現率が低い患者でも免疫チェックポイント阻害薬がよく奏功する例もあるらしい。
なので、非小細胞肺癌患者で発現率が陰性の人でも、
第一次治療として「キイトルーダ+化学療法」が適応となっている。
ところで、肝心の父はどうだったかと言うと、
免疫チェックポイント阻害薬キイトルーダを単独で使用できる結果となりました。
やった!
父の携帯へ直接医師より連絡があったので、
PD-L1の発現率がいくらっだったのか、私にはわかりません。
今度ちゃんと聞いておこうと思っています。
まだまだ書きたい事がありますが、
また後日。
*ご注意ください
ここで書いた事は私個人がネット等で調べたもので、
必ずしも正確な情報とは限りません。
また、時間が経過することにより、情報が変化してしまう事もあります。
適時、患者様・ご家族様ご自身でお調べになって、
お確かめ下さいますようお願い致します。