無駄に時間が過ぎてゆく。


テーブルの上には、花差し代わりに使ったサイダーの空き瓶。

百合の花が昨日の美しさを保って咲いている。


美雪はこの『土曜の昼下がり』という時間が一週間の間で一番のお気に入りだ。

一週間、毎週毎週なんとなくパターン化されたスケジュールを慌しくこなす美雪の時間は、一旦この『土曜の昼下がり』で区切りができる。

社会人2年目の一人暮らしの美雪の一週間のパターン・・・、仕事、付き合い、家事、この一連の流れが一旦切れる。


美雪は、この土曜の昼下がりは自分が『人間らしい考えができる』という意味で気に入っている。



 桜は明日も散らずに咲いてるかな?


 今日のお昼ごはんは美味しいもの食べよう。


 昨日の合コンはあんまりいい人いなかったな。


 来週は明子の結婚式か。


 ・・・



忙しい一週間で、何にも縛られず自分勝手に考ることができる数時間。変な娘と思われるかもしれないが、美雪はこの時間を作るために、時間を節約して、忙しい毎日も乗り切っているようなそんな感覚を自分で抱いていた。


美雪の生活リズム。リズムを崩され、ストレスを溜め込む日が訪れるのもそう遠くは無いだろう。


人生のリズム。