妊娠をきっかけに、それまで続けていた仕事を辞めました。

決して「仕事が嫌になった」とか「もう働きたくない」とか、そういうことではなくて。
むしろ最後まで「本当に辞めるべきか?」って、自分の中でぐるぐる考えていました。

でも、体調のこと、家族のこと、これから迎える命のことを思ったら、
「今は手放してもいいのかもしれない」って、自分で自分に許可を出すような気持ちで決めました。

はじめての専業主婦生活。
なんだかんだで毎日やることはあるし、「仕事をしていた頃より忙しいかも?」なんて日も。
でもふと時間ができたとき、なんとなくスマホをさわってたんです。

そしたら出てきたのが――
「専業主婦は絶滅危惧種」という言葉。

……え、私ってそんなレアキャラだったの?って、ちょっと笑ってしまいました。
でも同時に、胸の奥がチクリとする感覚もあって。

今の時代、「共働き」が当たり前で、「子どもがいても働く」がスタンダード。
もちろんそれはすごく素敵なことだし、働くママは本当に尊敬してる。
でも、専業主婦だって、それぞれの事情や選択があってそこにいるはずなのに、
なんだか「少数派=時代遅れ」みたいに言われてしまうのは、ちょっと寂しい。

何を選んでも、きっと迷いはあるし、正解なんてない。
「働いてるからすごい」「家にいるから楽してる」なんて単純な話じゃない。
それぞれの“がんばり”って、外からは見えにくいだけなんじゃないかな。

専業主婦という生き方も、私はちゃんと肯定したい。
「今しかないこの時間を、大切に過ごそう」って、日々、自分に言い聞かせながら。

もしかしたら“絶滅危惧種”かもしれないけれど、
私は今日も、食卓に食事を並べながら、静かに思うのです。
この選択に、ちゃんと意味があると信じていいんだって。