君と歩いた道を

今は一人歩く

あの日と変わらぬ景色の中に

君の幻影が浮かぶ

嬉しそうに私を引っ張る

君の振り返った姿が


君と駆け回った梅園を

今は一人巡る

満開の梅の匂いに包まれて

幼かった君が浮かぶ

私が呼べば、駆け寄ってきた

眩しすぎるその瞳とともに


もう戻れない

二度と会えない

吹き抜ける一陣の風が

私の記憶をなぜる

どれだけ手を伸ばしても

どれだけ声を上げて叫んでも

君に届くことはない

君の最初から最期までを見てきたはずなのに

心が空っぽで

春風は冷たい

追憶の彼方

君を捜して

君と過ごしたその場所その時間を辿る