クッシング病が疑われても、その診断を下すのは非常に難しいです
検査の種類も様々で、判断の仕方も病院によってやり方や基準が異なります
ここでは、色んな資料を調べた結果を総合判断して、恐らくこれが一般的だろうと思ったものを挙げておきます
まず、症状による判断
クッシング病の症状の中で
特にクッシングに特徴的なもの
・満月様顔貌(ムーンフェイス)
・水牛様脂肪沈着(バッファローハンプ)
・皮膚腺条(妊娠腺)
・皮膚の菲薄化、皮下溢血
・近位筋萎縮による筋力低下
・小児における肥満を伴った発育遅延
それと、クッシングに特異的ではない症状
・高血圧
・月経異常
・ニキビ
・多毛
・浮腫
・耐糖能異常
・骨粗鬆症
・色素沈着
・精神異常
それぞれから1つ以上当てはまるものが見られる場合にクッシングを疑います
私の場合は、皮膚腺条、発育遅延とニキビ、多毛、耐糖能異常、精神異常以外は全て当てはまってます
次に、24時間かけて尿を採取し、蓄尿してコルチゾールの値を調べます
昼間病院で調べた時には正常値でも、コルチゾールは1日で分泌量が大きく変化するので他の時間に調べると異常な値を示すことがあります
それで、値の変化を調べるために24時間かけて検査するわけです
私の場合も、2016年の9月に初めて総合診療内科を受診した時に既に一度コルチゾールは調べていましたが、その時は正常値でした
でも、先日7月4日からの2泊3日の検査入院で畜尿検査した結果、夜のコルチゾール値が異常に高く(通常コルチゾール値は朝が一番高く、夜にかけて徐々に下がっていく)、クッシングの可能性が高いと言う結果になりました
そして、ここから「クッシング病」か「クッシング症候群」かの振り分けを行うための「デキサメタゾン抑制試験」を行います
通常、この試験は「低用量試験」と「高用量試験」の2回かけて行われます
低用量試験では、「デカドロン」という副腎皮質ホルモンと同じ成分をもった薬を服用します
23:00にデカドロンの1~2mgを服用し、翌朝8:00に採血するのが一般的です(0.5mgを2回飲む場合もあります)
デカドロンを飲むと、健常者であれば脳下垂体が「コルチゾールは足りている」と判断し、コルチゾールを出す指令を抑制するので、検査結果としてはコルチゾールの値が下がります(5μg/dℓ以下)
ここでコルチゾール値が高いままだった場合に、まず「クッシング症候群」のいずれかであるとみなされます
次に、デカドロンの8mgを23:00に服用し、翌朝8:00に採血をするのが「高用量試験」です
このときクッシング病であれば、腫瘍によって正常に機能していないながらもさすがにコルチゾールが過剰であると判断し副腎皮質への指令を抑制するため、コルチゾール値が下がります
一方、副腎やその他の臓器に由来するクッシング症候群だった場合、脳の指令にかかわらず勝手にコルチゾールを分泌し続けるので、コルチゾール値は高いままとなります
ここが運命の分かれ道
クッシング病と判断された場合には、脳のMRIを撮って腫瘍の位置や大きさを確認することになり、クッシング症候群であれば腹部のCTや「シンチグラフィ」という薬を使った画像検査で腫瘍などの確認をします
ここに挙げたものは必ずしもこの順番で行われるとは限らず、初めから脳MRIを撮って腫瘍があれば即座にクッシング病の診断が下る場合もあります
通常これらの検査は一週間以上かけて入院して行われるようです