こんばんは☆

クリゾチニブ3クール10日目(1クール28日)


今日は1回、こっちゃんの病気を1度まとめてみようと思います!
私まとめるのが下手なのでわかりにくいと思いますが、すみません😅


こっちゃんの病気は悪性リンパ腫という病気の中の未分化大細胞型リンパ腫(ALCL)というタイプでALK陽性、CD30陽性です。



<経過>
2020年5月に腋窩リンパ腫腫大+39度発熱て発症
           白血球14000程度とCRP4以外は正常で感染症疑い。
           5月下旬に組織生検するも不明(悪性は否定)
                          ↓
            猫ひっかき病疑い(ひっかかれたわけではない)で抗菌薬治療するも毎日40度の熱が出続け解熱剤で40日経過。その間もCRP4〜5程度以外はほぼ正常に推移。その間に猫ひっかき病は採血とリンパ節より否定(元々わかるまで時間がかかる病気です)
           ステロイドパルスも1日しかもたずですぐ発熱。
                         ↓
            難病を色々調べてくれるがどれも否定。
                         ↓
            診断1週間前より貧血進行、血小板減少となり、sIL2Rは5月中旬9000だったものが6月末には10万に。
                         ↓
           追加染色したALKとCD30が陽性とわかり、ALCLと6月下旬に診断。


<悪性リンパ腫とは>
(以下は抜粋を合わせて説明します)

リンパ腫は小児がんの約10 %の頻度であり、
病理組織像から2つに大別されます。
  ①ホジキンリンパ腫
  ②非ホジキンリンパ腫
       さらに大部分は②の非ホジキンリンパ腫の中から以下4つに大別されます。

          ・バーキットリンパ腫
          ・びまん性大細胞B細胞リンパ腫
         ・リンパ芽球性リンパ腫
          ・未分化大 細胞リンパ腫(ALCL)

つまり、小児の悪性リンパ腫は基本5種類です。

小児非ホジキンリンパ腫は成人と比較して病理組織型の多様性が乏しく、進行性の病態が多いです。
小児リンパ腫の主な病型に対する標準的な化学療法による無イベント生存率は70-90 %、生存率
は80-90 %と報告されています。



その中で、こっちゃんかかっているALK陽性未分化大細胞リンパ腫は、若年期に発症年齢のピークを示す悪性リンパ腫であり、国内での発症は年間約90人と推計される極めて稀な疾患です。


標準的な化学療法が高い有効性を示しますが、約3割の症例において再発・難治性となるようです。

中でも乳児発症例はかなり稀で世界的な報告例も少なめですえーん(リンパ腫自体乳児発症が稀)

そして、リンパ腫というと通常無痛性のリンパ節腫大なのですが、ALCL(だけでもないですが)など進行が割とはやいものは急にリンパが大きくなり痛みを伴うことがあります。

あとは組織をとっての病理診断もALCLはわかりにくいことがよくあるようですガーン
なので最初に病理がよくわからないとなった時は、リンパ腫を否定するためには、ALKとCD30を染める特殊染色までしているかを確認した方がよかったなというのが私の反省ですえーん
大人のリンパ腫は多彩ですが、たった5種類の鑑別なので5種類きっちり否定されていないかを確認することをおすすめします!!



標準治療法というのはALCL99という世界共通的な治療法になっています。



こっちゃんも6月末〜10月までこの治療を受けました。

2クール目直前に再燃したというのがリスクではありましたが、それ以降は問題なくエコー上では5クール目には寛解しているのではないかという状態でしたニコニコ
しかし、10月に最終クール終了後にカテーテル感染を起こして退院が伸びている間に病態が再燃してしまいました。
そして11月5日に分子標的薬のALK阻害薬である、クリゾチニブの治験を受けるために名古屋に転院しました。


<ALK阻害薬について>
ALCLはALK融合遺伝子の活性化が病態の中心であり、分子標的療法であるALK阻害剤が有効であることが期待されています。
つまりALK陽性が殆どである小児のALCLにとっては病気の本態をたたけるようなものです。


クリゾチニブ(第1世代)とアレクチニブ(第2世代)ら経口投与のALK阻害剤であり、ALK融合遺伝子陽性非小細胞肺がんを適応として薬事承認されていますが、希少疾患であるALK陽性未分化大細胞リンパ腫での開発は進んでいませんでした・・・おーっ!

しかし、第2世代薬のアレクチニブを開発し、日本は世界より先に治験を通し有効性を見いだしており、6歳以上のALK陽性の再発・難治性のALCLに既に保険適応になっています!

ただ、それ以下の年齢ではカプセルがのめないために薬がALK阻害薬はありませんでした。

現在、適応拡大のため第1世代薬のクリゾチニブを液体化して内服する治験を1歳〜22歳までで行われており、こっちゃんはそれに参加中です!



元々カプセルや錠剤の薬を液体化した薬で激苦ですが、飲めさえすれば完全寛解率は8割位はあると言われています✨


ただ、寛解維持(治療終了し、その寛解を維持)出来るかはまだ不明で、やめたあとでの再発例はあります。
なので、今のところは飲み続けなければなりません汗


副作用は一番こわいものには間質性肺炎がありますが多いものではなさそうです。
好中球減少する方もいるそうですが、そこまで多くなく、霧視などの眼科的副作用が多くでるようです。
他には皮疹、便秘、下痢などが多くありますが、最初だけのこともあります。
悪心、嘔吐も肺癌の治験患者さんでは特に日本人には多めに出たようです。

使っている娘や他の人の話をきいて思うには、自宅療養出来るくらいの薬なので副作用はやはり化学療法とくらべればかなり楽な方なのかなという印象です。

制限もグレープフルーツなどが食べられないのと、併用禁止の薬がいくつかありますが、普段に過ごすには気にならない程度という印象をうけており、生物禁などの制限はなく飲み続けたとしてもあまり制限はなさそうですニコニコ
勿論、成長障害や妊娠などに関してはまだ分からないことも多いです。


病態の中心であるものを叩くなんて、こんなにいい薬、化学療法より寛解率自体いいなら併用させて最初から飲ませたら絶対きくやん!と思いますよね・・・😅
でも、治験を経ていかないと使えないというのが現状です。
併用した時の薬の相互関係などもあると思います。


外国では初回の標準治療に分子標的薬(ALK阻害薬  or CD30阻害薬)を組み合わせる治験を行っているようなので、それが今後標準になって薬もきれて寛解率があがることを祈ってますおねがいおねがい


※他の治療法は以下ですが、標準アプローチはありません

  1. ICE(イホスファミド、カルボプラチン、およびエトポシド)
  2. ビンブラスチン
  3. ブレンツキシマブ
  4. クリゾチニブ
  5. 同種または自家幹細胞移植





ALCLは再燃後でも化学療法は割と効くと言われていますが、寛解に入れなかったこっちゃんにとっては、分子標的薬の選択は個人的には合っていると思いますニコニコ


これはまだエビデンスレベルのことではないですが、イタリアでの以前の大人の治験でも効果出た人で2ヶ月以上たって飲み続けている限り再燃者は出ておらず、

日本の治験でも明らかに効果出た人では飲み続けている限りで再燃した人はまだいなさそうです(こちらは文献の話ではないので100%かはわかりませんのでごめんなさいあせる)



これを書きながら、医学は本当に数年で明らかに進歩して来ているなと感じましたウインク

ALCLだけでなく、他のがんも同じように少しずつ治療法が出てきているので頑張ろうと思いますラブ



お姉ちゃんの手をとって遊ぼうと誘えるまでこっちゃんは元気になっています照れ


では、長い文にお付き合いいただきありがとうございました!
明日もより良い1日にするぞ〜ウインク